雪兎【薄桜鬼】 (ページ5)

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選択ページ5

時は過ぎてついに道は二つに分かれた。
御陵衛士となった新撰組隊士は十人余り、その中には斎藤の名も刻まれていた。

(そんな……斎藤さんが新撰組を去る……⁉
そんなの嫌です……でも、斎藤が選んだ道を否定するなんて……)
モヤモヤした気持ちを抱えながら千鶴は桜の木の下でただ立ち尽くしていた。
だから気が付かなかった。
自分が泣いていた事も、背後にいた人影も…。

「千鶴ちゃん！」

「お…沖田さん？あの…起きていて大丈夫なんですか。風邪気味だと土方さんが…」

「嫌だな～、僕は元気だけど?皆して病人扱いしないでよね～。それに『大丈夫』って言う立場逆だと思わない?」

「え…あ……すみません。私は大丈夫ですから…。」

「ほらほら～我慢しないの！」

「はい……。」

「……それにしてもひどいよね～一君。僕らより伊藤さんを選ぶなんてさ。
まぁでもいっか。次会うときは敵同士だし、思う存分殺り合えるから。」

「…⁉そ…そんな……。」

「千鶴ちゃん。一君はもう僕たちの敵なんだよ。」

「……沖田さんはそれでいいんですか？今まで共に戦ってきたのに…「共に戦ってきたからだよ。一君が進んだ道を否定なんて出来ない。」

「……。」

「ねぇ千鶴ちゃん、そんなに一君が大事?」

「そ、そう言うわけでは…「なら僕を望んでよ。僕は一君みたいに途中で君を見捨てたりしない。」

「お…沖田さん……。」

「僕に君を守らせて」