雪兎【薄桜鬼】 (ページ2)

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もう一度ページ2

昨日降った雪はもうだいぶ溶けていて、地面がうっすらと見えていた。
斎藤は少し硬くなった雪をそっとすくった。
泥が混じった雪では昨日の真っ白な兎とは程遠いものになってしまった。
(いや、もっと雪を増やせば……)

「あの、斎藤さん？」

「……⁉あぁ、雪村か。」

「驚かせてしまいすみません。何をなさっていたのですか？」

「い、いや何でもないんだ…。あんたは何故ここに？」

「えっと、庭の掃除をしようと思ったのですがほうきを忘れてしまって…。」

「そうか。雪村らしいな。」

「うゔ～。今後気をつけます…。
斎藤さんは確か非番でしたよね。休まれなくて良いのですか？」

「いや、もう部屋へ戻る。」

「それでしたら火鉢をご用意しましょうか？京の冬はとても寒いですし…。」

「ありがたいが遠慮しておこう。雪村こそ働き詰めではないか…。身体は大丈夫か？」

「はい、大丈夫です。」

「それなら良いのだが…。
それともう少し温かい格好は出来ぬのか？冷えは万病の元と言うだろう。」

「いえ、私は大丈夫です。」

「しかし……ならばせめてこれを使え。」

斎藤は自分の襟巻を千鶴に巻いた。

「え///こ、これでは斎藤さんが冷えてしまいます…!」

「俺は部屋に戻ると言っただろう。
それはあんたが使え。襟巻の替えなどいくらでもある故遠慮などいらぬ。」

「ありがとうございます!大事にしますね！」

「あぁ///」

「それでは失礼します。」

そう言うと千鶴は走って行った。

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(この襟巻、斎藤さんの匂いがする…温かいな///)