【被虐のノエル】希望の代償

「本当に、良いのか？」

「うん。

　僕は、みんなを守るための力がほしいの」

「後悔は…しないな？」

「…しないよ、後悔なんて、絶対に」

「そうか…では、シェヌ・クローディア。

　お前に氷結能力を与えよう」

「ありがとう、カイン。

　それで、代償は？」

「痛覚と、視力の低下…というところか。

　その分、実用性には富んでいるものを選んだが」

「ありがとう。それだけなら、安すぎるくらいだよ。

　みんなを、守れるから」

「…シェヌ」

「なに？」

「五年前、私とお前が契約するとき。

　わたしはお前に“怠惰の魔女”という魔人名を与えた。

　しかし、五年の月日を経て…お前は変わった。

　どこか消極的であったお前とは違う。

　だから、新たな名を考えてみた」

「変えられるものなんだ」

「勝手に名乗るだけの名だ。

　お前は、未来を見据え、回りを励まし、よい方向に進めるための行動をし始めた。

…“希望の魔女”というのはどうだ」

「希望“…か。

　僕には重すぎるよ。

　でも…」

＿＿そう、なれると良いなぁ。執筆状態：連載中