7：親愛ラブ！ ページ8
とある夜。
教師用の宿舎を出て少し夜の散歩をしている人影。
言わずもがな鯉杏である。
元々、夜は鯉杏たち妖怪の時間だ。
気分がいいらしく鼻歌を歌っている。
「…鯉伴と、酒が飲みてぇ」
元の世界にいるたった1人の弟を思い浮かべる。
自信と揃いの着物を着た、遊び人。
奴良鯉伴の他にも、父、甥、首無などの仲間達。
やはり中々精神も来ていたようで、鯉杏は涙を流してしまう。
もうここに来て数ヶ月。
すでにおーばーぶろっと、というものを体験した生徒が3人ほど出ている。
あれだけ気にかけていたローズハートもその経験者の1人だ。
最近はよく日本語準備室に来てくれている。
いやぁ、打ち解けてくれているようで嬉しい。
「1人で飲む月見酒ほど、寂しいもんはねぇよ。
…なァ、鯉伴」
くい、と盃に入れた酒を飲み干した。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ガヤガヤと騒ぐここは、奴良組本家。
『…っ、まだ兄貴は見つからねぇのかい！？』
『おい鯉伴、あまり声を荒げるな！俺たちだってA様を必死に探してる…！』
『……すまねぇ、首無』
鯉杏によく似た男が悔しそうに着流しを握りしめる。
この男こそ鯉杏の実の弟・奴良鯉伴。
数ヶ月前に散歩に行ったきり帰ってこない兄を心配している。
奴良組本家も悲しそうな雰囲気だ。
それほど鯉杏は慕われていたのだろう。
『親父、叔父さんは俺が絶対に見つける。
どこにいようとな。』
『…あぁ。
＿＿だが悪いなリクオ。兄貴を先に見つけるのはこのオレさ』
『はは、オレだ。』
『あ"？』
リクオ＿鯉杏の甥が鯉伴に向かってやや挑発したように発言する。わざとだ。
しかし鯉伴は兄・鯉杏の事になるとポンコツになるためまんまとハマる。
要はブラコンなのだこの男。
そう言うリクオもクソデカ感情を叔父に向けているが。
鯉杏は良くも悪くも人たらし。
知らず知らずクソデカ感情を向けられるのは今に始まった事じゃない。
(あやつら、本当に鯉杏のことになると手がつけられんのぅ)
(鯉杏様は人…妖怪タラシですから)
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ラッテ(プロフ) - りんご飴さん» コメントありがとうございます！面白そうと思っていただけて嬉しいです😊これからも頑張ります…！ (2021年11月1日 14時) (
レス) @page13 id: b7431ab175 (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - これから面白くなってきそう！これからも応援してます！お気に入り失礼します！！( ｡･ω･｡)ﾉ 凸ﾎﾟﾁｯ (2021年10月31日 22時) (レス) @page10 id: 0ea8b0dbfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラッテ | 作成日時：2021年10月10日 19時
