episode2 ページ2
「悪いのは全部その女なんです!」
「人の男ばかり手を出す最低な…」
「そのことなんだけどさー。」
ぐいっと突然肩を抱かれて思わずよろめく。
心臓が煩い。顔が熱い。
そう、この男こそ私の…
「Aはそんなことしないヨ。だって、俺と付き合ってるからネ。だからお前らの勘違いってこーと。」
私の初恋にして、片恋相手…え??
「…カカシさん?な、何言って…?」
聞き間違い?誰と誰が付き合ってるって?
少なくとも私たちは先輩後輩の関係で、友人ほど仲が良いわけでも…
私が一方的に想ってただけで…
「だーかーら、俺とA。付き合ってるからもうこーゆーことしないでくれる?もっとハッキリ言わなきゃ分かんないかな。俺の女に手を出すなって言ってんの。」
「え、えええぇぇえぇええぇえ!!」
えええええっ!?
肩を抱く腕に更に力がこもるのが分かり、私がカカシ先輩の意図が分からず、口をパクパクしながら、顔を見上げる。
「それに、Aのこと、一生離す気ないから、お前らの彼氏とやらに言っといてよ。人の女にちょっかい出すなって。」
まだ状況を理解できていないのか、呆然としている女達。
いや、私も理解できていないのだけれど。
「分かったらそこ退いてくれる?こう見えて俺、結構怒ってるんだーよネ。」
「は、はい!」
そのまま、カカシ先輩に引きずられる様にして固まっている女の横をすり抜ける。
そして、ようやく見えない所まで来ると私はカカシ先輩の腕を解いた。
「カ、カカシ先輩!その、ありがとうございました。でも、嘘とはいえ、私なんかと付き合ってるなんて噂が流れたら迷惑なんじゃ…」
「んー…じゃあ、本当のことにしちゃえばいいんじゃナイ?」
「…へ?」
それは、つまり…?
「ははっ、面白い顔。冗談ダヨ。いや…半分本気、かな。あのさ、ちょっとAに協力してほしいことがあるんだけど…」
あの、なんでもスマートにこなすカカシ先輩が私に助けを?
「はい!先輩の為でしたら私にできることならなんでも!」
「俺の彼女になって。」
「……………………ん?」
これは、カカシ先輩が好き過ぎてついに幻聴が聴こえちゃったとかそーゆー…
「なんでも言うこと聞いてくれるんなら、俺と付き合ってよ。」
「…何がしたいんですか?」
幻聴ではなかった。でも私は知ってる。カカシ先輩はよく分からない人だけど、その行動には何かしら意味があるってことを。
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ミコト(プロフ) - 終始ドキドキしてました。本当にこんな神話作ってくださってありがとうございます(*´ω`*) (2019年8月8日 16時) (レス) id: 47f303260b (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - 棗さん» 嬉しいコメントありがとうございます!!楽しんで頂けて光栄です!とても励まされました。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。 (2017年11月16日 21時) (レス) id: 224152640c (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - コメント失礼します!余りカカシ寄りを読まないのですが気まぐれで読んでみたら凄い面白くって引き込まれました!最後の終わり方まで素晴らしくって感動しました!ありがとうございました (2017年11月16日 20時) (レス) id: 68edb9a409 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - ぴょんさん» コメントありがとうございます!幼馴染、いいですね!参考にさせていただきます!リクエスト嬉しいです(^^) (2017年5月31日 0時) (レス) id: 99c982b07d (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - とても面白かったです。次もまたカカシ先生の幼馴染みたいな設定の作品リクエストしたいです! (2017年5月30日 22時) (レス) id: e67851a9a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 | 作成日時:2016年6月10日 15時