あなたの隣に居る訳は【七種茨】 (ページ30)

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29　って思ったそばからページ30

個人レッスンをしている間、特に指示を出していないからか彼女はじっとレッスン室で俺の事を見ていた

茨「自分のダンス、貴方から見たらどう見えていたんですか？」

『どう、ですか』

茨「えぇ、食い入るように見つめていたでしょう？」

とりあえずコミュニケーションが取って彼女の事をもっと知るべきだ

『可か不可で言えば、きっと可であるのだと思います』

茨「いやありかなしとかそういう二択を聞いている訳ではなくてですね」

燐音「お、副所長じゃねぇ～か」

茨「あ」

そういえばcrazy：Bとは会ったことがない
こんな集団を彼女はどう思うんだろうか

燐音「かわい～彼女連れてんじゃん」

ニヤニヤにしてきてうざったい
でもこれも我慢、彼女の反応を見るため

燐音「お姉さん美人だねぇ、可愛いじゃん！名前は？」

『・・・』

ニキ「えっと、新しい事務員さんッスか？初めまして、俺は椎名ニキって言います！あの、お姉さん、何か食べ物持ってません？僕もうお腹空いて空いて倒れそうなんすよねぇ～」

HiMERU「椎名、初対面の人間に食べ物をせがむのはどうかと思いますよ」

ダメだ
こいつら、収拾がつかない

こはく「ほらニキはんはもうちょい我慢せんか。燐音はんは大人やろ、時と場合を考えんかこのアホンダラ！」

ニキ「えぇ～！お姉さん本当に何にも持ってないッスか？」

こはく「勘忍なぁ、ニキはんはお腹空いたら自制が効かなくなるんよ」

HiMERU「ほら、椎名がそろそろ限界を迎えているようですから行きますよ。天城、彼女にウザ絡みしない」

燐音「え～、メルメルったらお堅いなァ」

HiMERU「申し訳ないです。ただ、crazy：Bは天城のような人間だけがいるユニットでは無いのでそこだけは分かっていただきたいです。七種、そのところはちゃんと伝えて下さいね」

茨「あ、はい」

HiMERU「しゃんとしなさい椎名、桜河に支えられて動くなんて情けないでしょう？」

『桜河？』

彼女が声を発した

こはく「ん？桜河はわしやけど？」

『桜河・・・あぁ、そういえばアイドルとして本家の補佐の役割をするんだとかいう適当な理由をつけて外に出た、というのを風のうわさで聞きましたね。まさか、あなたでしたか』

こはく「は？」

桜河氏から出たとは思えない声が響いた
桜河氏は面倒な家出身だからアイドルになった理由とかだって知る人は少ないはず
どうして彼女が知っている？

こはく「アンタ、誰なん？アンタが名乗る名前によっては生かして返さへんからな」