all for “YOU” 〜君の罪、僕の嘘〜 2 【山】

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「朝飯、食べる？
今、コンビニでパン買って来たから」

智くんが手にしていたコンビニの袋からパンと牛乳を取り出しながら言う。

「うん、食べようかな」

「本当はご飯炊こうと思ったんだけど・・・味噌汁も作ったしね。
でもあいにく米を切らせてたみたいで。
変な組合せだけど、朝飯はパンと味噌汁と牛乳！」

「ねえ、それならおにぎり買ってくれば良かったんじゃない？」

「あ・・・そっか・・・」


智くんの天然ぶりに二人顔を見合わせて苦笑した。
二日酔いで少々頭は重いけど、そんな些細なことが可笑しくて堪らなかった。


「じゃあ、準備してるから翔くん、シャワー浴びて来いよ。
さっき思いっきりヨダレ垂らしてたよ？タオルは脱衣所に置いてる」

智くんがクスクス笑う。


俺はなんとも言えぬ恥ずかしさを抱えながら、遠慮なくシャワーを拝借した。

「そう言えば、智くんはどこで寝たの？」


シャワーを浴びてサッパリした後の朝食。

智くんが作ってくれた味噌汁を啜りながら聞いた。


「ああ、翔くんの隣で寝たけど？」


え。
ええっ？
えーーーーーーーーーーーーっ！？


智くんの衝撃発言に思わず飲んでいた味噌汁をブーッと吹き出す。


「ちょっと、翔くん！大丈夫？」

智くんが慌ててティッシュをよこしてくれた。

「それマジ！？本気で言ってんの？」

渡されたティッシュで口の周りをゴシゴシ拭きながら智くんを問い詰める。

「え？本気もなにも・・・俺んち、お客さん用の布団とかないし」

「そうなの・・・」


全然、記憶にないのだが。


「大変だったんだよ、翔くん重たくて。
いつの間にか俺より大きくなりやがって！」

「すみません・・・」

「それに翔くん、イビキがすごいよね。
寝相もすっげー悪くて、俺は睡眠不足だよ」

「重ね重ねすみません・・・」

「ふふっ、冗談だよ。
ベッド狭かっただろ？ごめんね」

智くんは申し訳なさそうに眉を下げた。



ベッドの狭さを感じることすらなかった俺は相当酔い潰れていたのだろう。

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