Four ページ4
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それから通常種以外の奇行種とも戦闘を交わし、
俺たちは何とか前回の拠点にたどり着くことが出来た
ここに来るまでに死んだ兵士、重軽傷を負った兵士は主に新兵が殆どで
また多くの兵士な身体だけでなく精神面も深く傷が入っていた
無理もねぇ
雨風に打たれながらの死闘だ
そこにはAがベトリアと呼んでいた茶髪の女もいた
「ベリトア、怪我の具合はどう?」
「A分隊長...平気です、見た目より傷は深くないので...」
「そっか、なら良かった」
「.....分隊長...私、もう...戦えません...」
「.......どうして?」
「仲間が、っ目の前で食われていくのを...私はただ見ていた.....動けなかった、
それを見て、私じゃなくて良かったって心底思ったんです...
もう次は誰が食われるのかなんて...考えたくないのにっ...」
「あなたは仲間が心臓を捧げた意味をなんだと思っているの?」
「........え?」
「彼らは無駄死にしたとでも思っているの?」
「....そんなっ、そんな訳ないじゃないですか....!!
私はただ..」
「自分には何も出来ないから諦めるとでも言うの?
違うでしょ
彼らのその無念を引き継いでその死を生かさなくてはならないのよ、だからどんなに死んでも私たちは進まなくちゃいけない。進み続けるしかないの」
茶髪の女の頭を撫でながらAはそう言い放った
その瞳には僅かな後悔の色と固い意思の様なものが見えた気がした
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作者名:深宮 | 作成日時:2020年4月26日 2時