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『だって、出ている女優さんが好きなわけじゃないですよね?』
それは勿論である。好きなのはプレイであり、容姿は単なるオプションのオプションだ。
そして坂田という俺以外の常連が、「彼女がいてもイカガワシイDVDを借りるのが男だ」というのを薫陶したらしい。
なんてことを教えているのだと驚くも、その言葉が無かったら、Aはこうして気にせずにいてくれなかっただろう。
『私が俳優をカッコいいって言うようなものですよ』
そう言ってはDVDのケースの表紙に映っている、主演の高杉晋助を指差す。彼女はこの俳優の作品が好みで、勧めてくれる作品は大抵この男が出ていた。
最初の頃は、こんな含み笑いした奴のどこが良いのか分からなかったが、演技はまあまあ上手い。
しかし、彼女は俺から視線を外す。どうしたのかと顔を覗き込めば、俺の服の袖を握った。
『でも、ちょっとは、控えてほしいです……』
『……善処する』
直ぐに「分かった、控える」と言えない俺にAは呆れ、俺から顔を背けてしまう。
そうして唇を尖らせては「喉が乾きました」「サッパリした柑橘系が飲みたいです」「しかも搾りたての」と口々にワガママを重ねていく。
そんな彼女に笑いが込み上げ、「じゃあ買ってくるよ」と腰を上げれば、Aがそこに抱きついてきた。
『嘘です。行かないでください』
顔を埋めてしまっているから顔が見えない。肩を掴んで見ようとするも、頑なに顔を上げようとしなかった。
よく見たら耳は紅く染まっており、髪を梳くように頭を撫でる。
『……別に見たかったら見ても良いですよ。
でも、見た後は私に優しくしてくださいね』
「俺はいつでも優しいだろ」と鼻にかければ、Aは失笑して回す腕を強くした。
ああ、好きだなって、心の底から温かい泉が溢れ出してくる
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美空 - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした!これからも楽しみにしてます! (2017年8月29日 2時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ジュリさん» 最高ですか!! ありがとうございます! とっても嬉しいです! あんまりイチャコラを書かなかった作品ですが、ジュリさんがそう言ってくださったのなら良いです! 閲覧とコメントありがとうございました (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます! 淡々とした夏休みの小さな暇潰しにでもなってくださったら嬉しいです( ´ ∀`) 新作の沖田は甘々ですが、こちらでは書かなかった甘い沖田を書いているので閲覧よろしくお願いします!! (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - あぁ最高です! (2017年8月18日 13時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 凄く良かったです!夢中で読みました!新作も読ませていただきます!!! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月25日 11時