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バイクのエンジンをつけて女に上着とヘルメットを渡す。
「あ、ありがとうございますっ」
「かなりデカいと思うけど何もないよりはいいだろ」
女は大きめのジャケットに袖を通すと
「ほんと、ぶかぶか」
また困ったように笑った。
「…」
「あの、ヘルメット、あなたは?」
「俺はかぶらねー」
「警察に見つかったらどうするんですかっ!?」
「撒くだけだろ」
「…」
「あんま騒いでると兄貴にバレるぞ、早く乗れ」
少し黙った後、女は渋々後ろにまわった。
「私、バイク乗るのはじめてで、、このまま乗っても倒れない?」
「はっ、軽いもんだわ。乗れって」
大きいバイクの後ろに「よっ…いしょっ、と」たどたどしく跨る。
念の為と思いバイクを支えてやる。
「ここの位置でいいのかな?
うわ、足がつかない、やたら高い、こわい」
独り言が多いな、おい。
やれやれ、と思いながらもつい目がいってしまう。
膝上のスカートとニーハイの間からのぞく太もも。
大きく開かれた脚。
(生足よりそっちのが エ ロいってこと、
世の女はわかってねぇのかな)
「そこ、足置くとこあるから。んじゃ行くぞ」
自分もバイクに跨ると
大通りに出るまでは、とスピードを落として安全に進む。
走っていると
女は行き場のない手をどこに置けばいいのか考えてるようだった。
バイクは後ろが安定してくれないと危ねぇし走りにくい。
仕方なく前を向いたまま女の手を掴む。
ぐっ、
腹の前まで引っ張り密着するよう合図をする。
拒絶か、戸惑いか。女にも力が入った。
だが早々に諦めたのか、これが普通なのかもわからないのか、
女は力を抜き観念したかのように俺の腹に手を回した。
「…」
「…」
無言
会話をしようとしてもバイクの音で聞こえないだろう。
大声張り上げてするほどの話も、ない。
しばらく走っていると
腹の前で手を結ぶ力が徐々に強くなるのを感じ、じわじわと密着してくる。
?
不思議に思って女の手に触れると、
「ぅおっ…!」(冷た!!)
そりゃ風切って走ってればそうなるわ、
それにお前ずっと外いたよな!忘れてた!
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NA - 面白かったです!!!! (2022年12月18日 21時) (レス) @page47 id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トム | 作成日時:2022年6月19日 22時