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相変わらず女は大きな荷物を抱えていて、
男の手を逃れた拍子にその場に座りこんでいた。

お礼を言われたときに不覚にも気分が高揚したのは
きっと喧嘩した後だからだ。

涙のまだ乾かない顔でふわっと笑うこいつに目を奪われる。






「…私、東雲Aです」


「…あ?ああ、」


「さっきは助かりました、では私は失礼しま…「ドコ?」


「え?」

「こんな夜にそんな格好で無事に店に辿り着くのかよ」

「大丈 「バイク、後ろ乗れば?家からすぐ取ってくるし」

「でも少し遠いから…」

「どこ?」

「…横浜」




(横浜…ね)




「遠」

「ね?」



「いいよ、時間あるし。
それになんか俺も誤解してたっぽいし」

「?」

「先輩のところに戻るっつったやつ、あれ兄貴じゃなくて女の方だったわけだろ?
それにさ、その服だって兄貴がやったことだし…
今日は虫の居所が悪かったのか知らねーけど、なんか悪ぃな」



「ぁ…いえ、」


「ただノコノコと付いて行ったお前もバカなんだから
うちの兄貴だけが悪ィわけじゃねーの覚えとけよ」


「はい、すいません」


「ならこの話はこれで終い。
で、このあとバイク取りに帰るのに家行くけど
先輩とやらはどうするよ?」



「もし私みたいに無理やりされてたら助けないと…!」




(無理やりでも途中で割込めば返って荒れるからな…)

「俺が覗いてみるからお前は外で待ってろ」


「あ、でもどうしよ、
先輩、帰り…どうやって帰るんだろ…終電はもうないと思う」

「…」
「そのバイクに3人は乗れませんよね?」

「…めんどくせぇ奴」
深いため息を吐き捨て家へ足を向ける。
「先輩とやらがその気になってたら放って帰るからな!
俺はそこまでお人好しじゃねぇ!」


「ありがとう!!」




「おー?」

ほんとに分かってんのか、こいつ。

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NA - 面白かったです!!!! (2022年12月18日 21時) (レス) @page47 id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トム | 作成日時:2022年6月19日 22時

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