兄貴のお気に入りに恋をした【灰谷竜胆】

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｢なんだテメェは？｣

仲間内の1人が睨めつけるように言えば
他数名が拳を握りながら臨戦態勢に入った。


(1.2..あと4人...か)


｢お前らさ、六本木で俺に楯突こうなんざいい度胸してんのな｣

男共｢はぁ？なんだこいつ、何様だよ｣

｢灰谷竜胆様だよ、覚えとけカス！！｣



ゴッ！

ガッ！











｢…っ、すい、ません…で、した…！｣


｢あんたらさ、うちの島で好き勝手してんじゃねーよ。
次六本木に足踏み入れたら今よりもっと
ボコボコにしてやるから覚えとけよ｣

男の髪を鷲掴み頭だけを持ち上げ脅す。


｢も、もう二度と来ないと、誓いますので…！どうか…っ！｣





パッと男を掴んでいた手を離すと、勢いよく男の顔面が地面に落ちていった。



ふと数メートル先に目を向けると先程の女が
肩を震わせてコチラを……見てねェ。



｢すごい！何かの格闘技ですか？フォームがすごく綺麗！｣


｢…ンあ？｣
なんだこいつ。思ってた反応と違いすぎんだけど。


普通女は怖がるとか、恋に落ちるとか←？
なんかあるだろ！女らしい女々しい感じの…そんな か弱な態度(理想)はどうした。




｢何？お前そのへんのことわかる奴？｣

期待した反応はさておき、褒められて悪い気はしねぇ。


｢体柔らかいですね！｣


さっき襲われそうになってた女の言うセリフかよ。
まだ男の残骸がそこらに落ちてるこの状況でえらく余裕だな。




頭弱いのか？





｢つかお前も多少の護身術使えるってのに
なんでこいつらにはノコノコついて行ってんだよ！｣


｢あ、いや、さすがに複数だと無理かなって…｣


おいおいおいおい…だからってついて行くのかよ。


｢それで…
あなたに助けを求めようかと…｣


｢…は？｣


｢手をふりほどいてあなたのところまでなら何とか捕まらずに逃げられるかな…って｣



(は？)

｢なんで俺がお前助けること確定になってんだよ｣

｢え、でも助けに来てくれましたよね｣

｢…｣

｢あなたのこと悪い人には見えなかったから｣

｢…｣





見る目ねー奴だな。
俺は理不尽な暴力だって日常的に振るうし
何人もの人生終わらせてきたんだぜ、
これが悪い人じゃねぇってか。


｢お前に何がわかんだよ｣


勘違い女といると話が噛み合わない。むしゃくしゃする。



｢ごめんなさい、でも

助けてくれて、ありがとう｣

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