ひらり、言の葉。

観察日記。3 ページ27

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人は、他人に近づかれると不快に感じる空間があって、それは、パーソナルスペースと呼ばれる。
その空間は、相手との親密度によって広さが変わり、わかりやすく、親密に思えば思う相手ほど、その空間は狭まるものだ。

雅紀はニノがあそこまで近づいても問題ない。
でも俺や潤、智くんだって、雅紀にあそこまで近づくことはない。
撮影くらいか。

でも、それをカメラのない今してるニノ。
それは特別だというほかにない距離で。


○○しない？いかない？と尋ねるように誘うことと、○○行こうよ、と誘うこと。これも親密度を表して、後者の方がそれは高いらしい。

確かに確認しにくいけども、好きな人と話すときは瞳孔が開く、とか。
人は相手に、好意関心がある時にそうなるらしい。

あまり、自分を押し出した言動は多くない優しい雅紀だけど、ニノへの言動をみてみたら、当てはまるもの、ばかり。


極め付けは。


「んもー…離せよ…」

「えー？いいじゃん、こうした方がよく見えるし」

「やりにきぃよ」

「だいじょぶだいじょぶ、ニノちゃん、お上手よ？」

「…んだよ、それ…」


雅紀からニノに組まれることの多い、その、肩だ。


肩を組む、それは、独占欲の表れ。


ニノと俺と距離が近い時、
自分のそばにいて欲しい時、

雅紀が無意識にしてる、それ。

ニノはきっと、さっきLINEしたそのことに過剰に反応してるんだろうなー。
ここからわかるくらい、耳が真っ赤。
肩を組んでくる雅紀を、ガチガチに意識してる。


なーにが、

相葉さんがいろんな人と仲良くしていて、寂しい。前は一番俺と一緒に居たのになぁ

だよ。


今も昔も、変わらず雅紀の中の多くを占めるのはニノだけなのに。


「…お」


ぺらりとめくったページにあった文に目を留める。


ーーー人は好きな相手に向かって行くときは早歩きになる。


今度はこれを確認出来るようなこと、仕掛けてみようかな。

少しだけ雅紀に睨まれてる気がしなくもないから、ほとぼり冷めた頃にでも。


ほんと。
相思相愛。

微笑ましいことで…。



end.

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