ひらり、言の葉。

あまく繋がる想い。3 ページ3

ラグの上に腰を下ろす。
家主はただいま、キッチンにいる様子…。


「あーいばさん？」

「今、酒作ってるとこ！ちょい待ってて！」


なんて言われて、はいはいと軽い返事を返しながら、取り皿として置かれていたお皿に買ってきた冷めつつあるモノを…。


「おまたせ。……って、あれ？ニノもなんか買ってきてくれた？」

「ん。適当に、ですケドね。」

「ありがと！なになに？
あ！肉まん！？」


目をキラキラさせながら、俺の前に置いてくれたお酒……。


「？ コレ、なに？」

「んー？ん？
うん、飲めばわかるよ。
ほら、飲も？
俺お腹すいてんだよね！これ食べてもいいの？1個しかないけど！」

「いいよ。それ、アナタに買ってきたんだもん。」


俺の言葉に、キョトンとした顔をこちらに向けた相葉さん。
でも、すぐに笑顔に変わり。

俺は、相葉さんの作ってくれた酒の入ったグラスを、
相葉さんは、俺が買ってきたモノを、
それぞれ手にして。


「「おつかれーぃ」」


へんてこな乾杯をして、それぞれ口に運ぶ…。






.







「「……あまっ！」」


ハモる言葉に、お互い顔を見合わせる。

嘘でしょ？
こんなことまで、以心伝心？
でもさすがに、浮かばなかったよ、そんなこと。


「チョコレートまんー！？」


くんくんと、犬のように鼻を動かして手にしたモノの匂いをかぐ相葉さん。

そう、俺がコンビニで買ったのは、チョコレートが入ったチョコまん。

そして。


「チョコミルク…？」


俺の手元にあるグラスの中身。
しゅわしゅわはしなそうだなぁと思ってはいたけど…、この、甘さ。
アルコールは入ってそうだけど…。
と、マジマジ見つめる。


「ひゃひゃひゃ。
それね、モーツァルトミルク。
チョコレートのリキュールに、牛乳いれたの。」


って。

そう、今日は、バレンタイデー。

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