命を縫い付け、御依頼求む。

違和感と恋の病。参 ページ24

「全く…湊はんも遥斗はんもアホなんやから」


布団に潜って枕に顔を埋めながら呟く神妖
意外と人の変化に敏感である自分は、お節介だと思いながらも一刻も早く
くっ付けたかったのだ

これでも人間よりは遥かに生きてきた

いつもならすぐに寝付けるのに何故か今日は寝れない
取敢えずゴロゴロ転がっていてボサボサになった髪を触りながら
そう思う


もどかしくて仕方がない
蓮乃はこのもどかしさが嫌いだった

近くにあるのになぜ手を伸ばそうとしないのか
なぜ歩み寄ろうとしないのか
何が怖いのか


それが理解できなかった


「あー眠たくなってきたー…」


睡魔が数十分遅刻して訪れる

待ってましたとばかりに蓮乃はそのまま意識を手放した



スヤスヤと規則正しい寝息が聞こえる部屋

月明りに照らされて一瞬糸がキラリと光る


その糸の繋がる先は
無自覚に恋をしているお節介な神様の掌

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