＊鮮 烈 恋 歌【誠凛編】＊

3：月と星に見放されても ページ5

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「任務を終えて今帰還している最中なので、こちらで待っていましょう」


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東京都地区本部の東側にある一角。



そこにある小さな城は丸ごと誠凛班が所有を許された物である。


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小さいとは言え立派な城。


いつ緊急任務が入っても良いように、と本部から与えられたその城は、常に異質の存在感を放っている。




―自分がそんな伝説的な場所に入る日が来るなんて、思ってもいなかった。


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「佐藤さん、緊急してますか？」


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「え、あ…はい」


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付き添いで一緒に来てくれた降旗さんがそうですよね、と苦笑いする。



軍服の自分とは違い、スーツを纏うその人は後方支援部隊の人だ。

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「大丈夫ですよ、気難しい人達では無いですから」

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「そ、そうですかね…」

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「はい」

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「……頑張ります」


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広いロビー。

高級そうなソファーに腰を降ろすと、降旗さんは紅茶を入れて持って来てくれた。



ありがとうございます、とお礼を言って受け取る。


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誠凛班は今A5エリアで巨大クモの群れを殲滅し終えたばかりらしい。


やっぱり与えられる任務の難易度も桁が違うな、と感心と尊敬と不安が少々。



軍服のスカートを握り締めた。


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