風の守護者 ページ9
雲雀に秘密を打ち明けた翌日、明朝からインターホンが鳴った。
「ん……はい、どちら様ですか……? って、ディーノさん?」
「悪いな、朝早くに」
「いいえ、大丈夫です。あがってください」
Aはディーノを自宅へとあげる。
コーヒーを振舞い、すぐに本題へと移った。ディーノは丁寧にボンゴレリングについて説明をした。
「A、単刀直入に言う。ツナの風の守護者になってくれ」
「風……」
「ハッキリ言って他の守護者と違って風は不安要素が多い。つい1年前までこのリングは封印されていたし、何故封印が解けたのかもわかっていない」
きっと私が来たからだろう。そう思っていたがAがそれを口にすることはできない。
「他の守護者以上に苦難を強いられるかもしれない。それでも、次期ボンゴレボス沢田綱吉の風の守護者に相応しいものだと選ばれたんだ」
「……私がツナの役に立てるのなら喜んでこのリングを受け取ります」
そうでなくても自分はこれを保守しなくてはならないのだから。
「そうか。それじゃあ俺はこれからツナたちの所に行くから」
「あの、ディーノさん」
「ん? どうした?」
「……そ、その、すいません。なんでもないです。私学校行く準備しなきゃ」
ディーノは口を噤んだAの頭にぽんと手を置いた。
「ツナに相談しづらいこともあるだろうし、オレでよかったら話聞くぜ。いつでもお前の力になる」
「ありがとうございます。私、隠してることあって、それが表沙汰になると色んな人から狙われてしまうんです」
「いろんな人っていうのは……」
こくり、とAは頷いた。
「そうか。今すぐどうにかするってわけにはいかないが、近いうちにお前をキャバッローネの庇護下においてもらうよう手を回す」
「! あっ、ありがとうございます……詳しく話していないのに」
「ただ事じゃないことくらいわかるからな。それに、まだ未来ある子供が1人で背負いこみすぎるもんじゃないぜ」
くしゃくしゃっと頭を撫で、ディーノはAの家を出た。
1人家に残ったAは欠けた指輪を首から下げた。
「ねえ神様」
『どうしたんだい?』
「私に修業、つけてくれますか?」
『あぁ。でも前にも言ったがあまり私たちは直接君に干渉してはいけないんだ。だから1日1時間だけ。それだけでも満足できるよう努力するよ。一応神だからね』
「ありがとうございます、神様」
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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月22日 23時