【REBORN!】調整役とやらに選ばれました (ページ22)

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休み時間になり、購買でご飯を買った帰りのAが誰かに腕を引かれる。

「だっ――雲雀先輩！？」

「やぁ」

「こ、これからお昼なのですが……」

「なら応接室で食べればいい」

「でも」

「文句あるの？」

「ないです……」

自販機で買ったカフェオレと購買で買ったいくつかの菓子パンを手に雲雀の後ろをついて行くA。

何でこんなことに……そう思いながらもやはり彼女に断る選択肢はなかった。

もぐもぐとメロンパンを食べるAの一口はかなり小さい。そんなAを見て小動物が連想されるのは仕方がないことだろう。

最初こそ緊張して肩に力が入っていたAだったが、すぐにツナは大丈夫だろうかと言う考えにシフトチェンジする。

Aは原作に出ていた主要人物と、大まかな出来事しか覚えていない。こういうテスト返却などの日常的な細々とした出来事まで覚えていないのだ。神も、よほどのことがない限りは口出しはしない。そのため、あの根津がこの後学歴詐称で解雇され学校を去ることを知らない。

(そうだ。雲雀さんに根津のこと相談してみよう)

そう思ったAは食べていたメロンパンをカフェオレで流し、口を開いた。

そもそも話も聞いてもらえないかとも思ったのだが、こうやって応接室に招かれているということは一定数自分は気に入られているのだとAは理解している。

Aは漫画のヒロインほど鈍感なつもりはない。
　

「あの、雲雀先輩。ちょっとだけ相談というか……。お話聞いてくれますか？」

「これが終わったらね」

案の定雲雀はAの声に耳を傾けた。