【ジョジョ】いつか願ったその言葉 2

第90話：とある兄弟　6 ページ41

〈side 仗助〉

???「虹村形兆！スタンドは精神力と言ったな？俺は成長したんだよ！」



億泰の兄貴の胸を拳で貫いたそのスタンドは、億泰の兄貴が握っていた〈弓と矢〉に手をかけた。

知り合いにしては悪い雰囲気だぜ。トモダチだとかじゃあねえな、確実に敵だぜッ！




???「それとも、我がスタンド〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉がこんなに成長すると思わなかったかい？」

形兆「…〈バッド・カンパニー〉…！」




電気に包まれてバチバチと音を立てる億泰の兄貴のスタンド達が、敵スタンドに向けて一斉に銃を構える。

しかし、それらは舌打ちをした敵スタンドによって、ものの見事に蹴散らされたのだった。



???「うるせえぜッ！」



電気がよりまぶしくなる。億泰の兄貴の穴の空いた胸から、その激しい電流が全身に流れ込んじまってる。

やばいぜ…あんまり電流が強くて、前が見えねえ…！




康一「電気だ、億泰さんのお兄さんが電気になっていく！〈弓と矢〉まで……！」




いつのまにか敵スタンドは〈弓と矢〉を奪い取っていて、ニンマリとほくそ笑みながら、形兆をコンセントの中に引きずり込もうとしていた。



億泰「兄貴！！」

形兆「俺に触るんじゃねぇっ！お前も引きずり込まれるぜ！」



…あいつ…「いつでも弟を殺せる」だなんて言っておきながら、億泰のやつを庇ってるじゃねーかよ…！

グレートだぜ、マジにイイやつだ。やっぱり天邪鬼なだけなんだぜ！







形兆「億泰…おめーはよ…いつだって俺の足手まといだったぜ……！」







???「そんなこと言ってやるなよ。死にかけだってのに、お前も大概だよなァ〜。」




ひた、と足音が聞こえた。

それと同時に、敵スタンド〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉が、目元をピクリと引きつらせる。

「ヒヒッ」と笑い声がして、奴の喉元に突きつけられた鎌の先端が妖しく光った。




???「ラ〜リホ〜ッ、てめえかァ？オレの姉貴の手ェ煩わせようって馬鹿野郎は……。」




現れたのは、まだ小学生くらいの背をした男の子だ。

素足で家の中に入ってきたからか、歩くたびにひたひたと足音をさせている。

あ…あの口癖は……！間違いねーぞ、な…なんでこいつが杜王町にいるんだ⁉




???「スタンドはスタンドでしか攻撃できない……わかるか？お前、ピンチなんだぜ。」




ジャキッ、と鎌の角度が変わって、敵スタンドの首に切断面が触れる。

見るからに焦っていやがる奴を視線に据えて、男の子は…マニッシュは、微笑みに八重歯を見せたのだった。



マニ「…イイ夢を、お楽しみやがれよ。」

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