第73話:告白 5 ページ24
〈side 悠〉
典明さんが頼りになる二匹に襲われている隙に、彼の腕から逃げ出して扉の方に向かう。
ドアノブにかけられた鍵を外し、慌てて研究室の外に出ようとした時だった。
花京院「に…逃すかっ、〈
『えっ、わっ⁉』
腕に巻きついてきた触手に引っ張られ、強制的に扉の近くから移動させられてしまう。
まずい、また捕まっちゃった!イギーと鳥くんは何やってるの〜っ。
花京院「こんなチャンス、二度とないんだ……。僕の話に付き合ってもらうぞ!」
『やっ、やだ…待ってください。何がなんだか…』
花京院「とぼけたって無駄だ!いいから教えてくれ、あなたの答えが知りたいだけなんだ!」
再び両肩をつかまれてしまった上、ついに身動きをとることすら許してもらえなくなる。
そ、そんなこと言われたって……。こんな体験初めてなわけだし、私だってどうしたらいいのかわからないよ。
『や、やっぱり離して……。』
肩にかけられた手は外されない。それどころか、いつのまにか彼の手は私の背中に回されていた。
普通ならときめくシチュエーションなのだろうが、いろいろと混乱していた私の頭はますますグルグルしてしまう。
『…えっ?やだっ!離してくださいってば!
あっ、やだやだっ、しつこい!しつこいんですけど!ひいっ⁉ま…待って待って……か、香ちゃーんっ!』
なぜか余計に距離を縮められる。
背中に回された手に強い力が込められた瞬間、私は精一杯の力で彼の腕を押しながら、廊下にいるであろう友人の名前を叫んだ。
香「おらァーーッ、花京院くん!悠ちゃんに変なことしたら……って、なんだあ。
ただ抱きしめられてるだけじゃん。それならイエス、許容範囲!へっへっへ、初々しいねーっ」
助けに来てくれたはずの香ちゃんは、あまりに呑気に部屋を出て行ってしまう。
そんなっ!くそぉ、なんなんだこの力は!
少し前まで入院していたはずなのに、全力で押してもびくともしない……。
『は…離しっ……!』
花京院「僕は君のことが好きなだけなんだ。」
『なんか開き直ってません⁉』
さっきの悲鳴は、典明さんによって私の体の向きが変えられ、背中から抱きしめられたせいで出た声だ。
ずしっと背中に重みを感じて、思わずよろける。
しかしその時、やっと彼女が助けてくれたのだった。
ードゴッ
花京院「がはっ」
〈…ワタシは、貴様が悠に触れることは許していないぞ、花京院。〉
『遅いよぉっ、カップ!』
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キョウべえ(プロフ) - ピーカンパイさん» うるさくなんかないですよーっ、いつも嬉しいです!原作の花京院への罪悪感と共に書きました。すまない……。いつもありがとうございます! (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - 姉御さんさん» いつもありがとうございます!嬉しいこと言ってくれちゃって〜!です!暗チ…もっと登場させたいです…。ギアッチョの出番なんて無理矢理ねじ込みました笑 (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - ゆゆさん» いつもありがとうございます!どうか幼い時の彼にも幸せに生きていてほしいという欲望の賜物であります……! (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - Toyさん» いつもありがとうございます!暗チは…本当に素晴らしいですよね……!梅雨明けで毎日暑いですけど、お互いに生き延びましょう…。 (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
ピーカンパイ(プロフ) - 今現在私は絶滅危惧種になりそうです(?) (2020年8月11日 1時) (レス) id: e408f95724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キョウべえ | 作成日時:2020年8月8日 6時