【ジョジョ】いつか願ったその言葉 2

第70話：告白　2 ページ21

〈side 悠〉

典明さんからとんでもない告白を受けた私は、嬉々としてそのお相手の名前を当てようとしていた。



『香ちゃんは？沢渡香ちゃんです。』

花京院「違います。」

『えー、もう女の子は言い尽くしましたよ。
もしかして男の人です？うーん、日野くんとか？』

花京院「ふふっ、違います。相手は女性ですよ。」



医療科の知り合いの名前を適当に挙げてみるのだが、その全てに典明さんは首を横に振った。

ちなみに、今の沢渡香ちゃんは、私の横でご飯を食べている同僚だ。

彼女はかなりの動物好きらしく、暇さえあれば私の研究室にやって来て、メロメロになっている。



香「なに？悠ちゃん、今呼んだ？」

『あ、ごめんね。典明さんとクイズしてただけなんです。』

香「敬語やめてってば。日野の名前も出してたじゃん、何の話？」



香ちゃんはぐいぐいと食いついてきて、挙げ句の果てには典明さんの方にまで身を乗り出していた。

「花京院くん、なんの話なの？」と質問している。

へえ、香ちゃんは典明さんのこと、「花京院くん」って呼ぶのか。さすがの社交性だ。




花京院「僕の好きな人についての話ですよ。」

香「えっ⁉……そ、それを悠ちゃんに話してるの？前にあたしに相談してくれた話でしょ⁉」

花京院「ええ。そうです。」




むっ、なんだ。私よりも先に香ちゃんに相談してたんだ。

彼女のほうがそういう話は得意だろうに、なんでわざわざ私にもそんな話を振ってくるんだろう？




香「やだぁ〜っ！やるねえ花京院くん！へっへっへ、こりゃ楽しみだなあ〜っ！へっへっへっへっへっ。」

『んふふ、またそんな美人らしからぬ笑い声を…。』




典明さんは顔がいいし、フラれるなんてまず無いだろうから、お祝いの準備をしておかないと。

いや、彼女さんができたなら、それこそ典明さんとは距離を置いた方がいいかもしれない。



香「…じゃ、あたしは邪魔しないよーにするからさ。頑張ってね、花京院くん！」

花京院「はい。ありがとうございます。」



香ちゃんはバタバタと焦りながら席を立った。

手を振って去っていく彼女に手を振り返して、典明さんと向き直る。




『香ちゃんにも相談してたんじゃないですか。私に話す必要ってあったんですか？』

花京院「もちろんですよ。本人に伝えないでどうするんですか。」

『ふーん……？』




なんだか変な言葉遣いをするなあ。

よくわからないけど、結局誰のことが好きなんだろう？

教えてくれる気は無いみたいだし、本当に相談なんてしてくれるつもりがあるのかな。

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