My Fancy ！

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『……はあ〜、お肉ー』


「ハハッ、めっちゃ引きずるやん」


『当たり前じゃん。もう新年度だよ？景気付けのお肉だったのにさぁ』


「あ！そういやさっき挨拶来てましたよ！」


『誰が？』


「誰がって…辞令見てないん？Aさんとこ、一人異動来てたやん。」


『あー…岸くん？だっけ？……え、着任今日だった！？』


「いや、明日やと思うけど、なんか律儀に菓子折持って挨拶来とったで？」


『…へー、やる気だね？変な人かな？やだなー』


「そこは普通、いい人かなってなるけどな」


『どんな感じ？使えそう？』


「んー、まぁみんなに好かれそうなアツい感じの奴やな。Aさんと年変わらん感じやった！」


『……好かれそうな奴、ねぇ。…私、熱い人苦手だからなー』


「ハハッ、わかるわ〜。でも目の保養にはなると思うで？」


『そ？…じゃあいっか。あー明日楽しみー』


「だから全然思ってないの丸わかりやって、笑」


『だから敬語使えって』


「すんませーん」








オフィスに戻ると、私のデスクには先程までは無かった菓子折の箱が置かれていて



"明日からお世話になります！！よろしくお願いします！！！ 岸"



バカみたいにビックリマークのついたポストイットが貼られている。








『……ほら、変な人じゃん』








一瞥した後、くしゃって握り潰して

スナップをきかせゴミ箱へと放り捨てた。








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永瀬の言ったとおり、やっぱり全く楽しみにもせずに迎えた次の日。








「あの！！Aさん！！」


『！！…はい』


「おはようございます！！はじめまして、今日からお世話になります！！あ、岸です！！よろしくお願いします！！」


『……あ、よろしくね。』









私が出社するなりクシャって笑って大きな声をかけてきたのは



熱そうで

バカそうで

瞳のキラキラした

誰にでも好かれそうな

無駄に声の大きい

私の一番苦手なタイプの男。









……やっぱ変な人。やだな。









それが、彼との出会い。

彼の第一印象。









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