雨に濡れて<3> ページ27
手越side
まっすーが「友達」から「恋人」に
呼び方が「まっすー」から「タカ」に変わるのに
時間はかからなかった。
<ねぇ、タカはさ。俺の家のこととか気になんないの?>
<んー?まぁ……お前ん家、凄すぎてさ。逆にどーでもいいって言うか>
<タカだけだよ。そんなこと言うの>
<え、そうなの?>
<そうだよ。だって他の奴らは、俺じゃなくて家を見てるもん>
<それは、手越がそう思ってるから余計じゃない?>
<そんなことない>
<そんなこと、あるよ>
<ない>
<ある>
<ふふっ。負けず嫌い>
<タカだって>
<まー、俺は、どんなお前でも好きだよ>
<なにも持ってなくても?>
<当たり前でしょ>
そう言いながら、タカはおでこにキスを落とす。
幸せだった。
俺のことをきちんと見て好きだと言ってくれる人にやっと逢えたから。
<ね、タカ……?>
<ん?>
<ずっと一緒にいられたら、いいのにね>
<……ムチャ言うなよ>
<そうだね……>
俺達は知っていたんだ。
この幸せな時間が長く続かないこと。
「てごし?」
名前を呼ばれて、はっとする。
タカは、来月ロンドンへ行ってしまう。
俺は、親の決めた婚約者と結婚をして家を継ぐ。
2人きりの時間も、これが最後だ。
「たか……」
「……なんて顔してんの」
タカは困ったように笑って頭を撫でてくれる。
それだけで、もう俺は……。
「一度だけ、本音言ってもいい?」
「んー、明日には綺麗さっぱり忘れるならいいよ」
「……結婚なんてしたくない。ずっとタカといたい。おれ…、家よりタカのが大事……っ」
「ばか」
泣き噦る俺を抱きしめているタカも声が震えてる。
この人の言うとおり、そのうち忘れられるんだろうか。今はとても想像がつかないけれど。
「おれ、ずっとタカのこと想ってるから………だから、タカも俺のことわすれないで……」
「……本当にばかだね。お前は」
ばかでもなんでもいいよ。
一緒にいられないなら、せめて想うことだけは
許して。俺のこと、お願いだから忘れないで。
遠い異国の地にいても、ずっとずっと想っていて。
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りお(プロフ) - 莉織さん» 莉織様、温かいお言葉、本当にありがとうございます(^^)。子供と大人の割合が半々くらいの手越さん、いかがでしたでしょうか(^^)。最後は、増田さんの重めの愛で締めさせていただきました。これからも甘々な2人を描けるように頑張ります! (2019年5月14日 21時) (レス) id: de0e8fed57 (このIDを非表示/違反報告)
莉織(プロフ) - りおさん» 早速、可愛い手越くんがいっぱいで最高です! ちっちゃくなるだけじゃなくて、テゴマスの甘々もあるのが新しくてとても楽しみです! (2019年5月14日 19時) (レス) id: 6e79a16567 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 莉織さん» 莉織様、コメントありがとうございます(^^)。子供になってしまうと言う設定は初めてなので手探りで物語を進めております。少しでも楽しんでいただければ幸いです!本当にありがとうございます(^^)。 (2019年5月14日 6時) (レス) id: de0e8fed57 (このIDを非表示/違反報告)
莉織(プロフ) - いつもお話読ませて頂いています。甘々なテゴマスがいっぱいで面白くて、最高です。今回は、手越くんが子供になるみたいなので今からワクワクです!更新頑張って下さい!応援しています! (2019年5月13日 18時) (レス) id: 6e79a16567 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りお | 作成日時:2019年5月13日 6時