●１７話 忠犬と妖刀 ページ19
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その日の夜は己の歓迎会を含め派手に宴会が行われた。相変わらず光忠殿のご飯は美味しく、もぐもぐ食べてれば、作りがいがあると笑っていた。
暫くたって夜も遅いと言うことで短刀達はへしくんに連れられ寝ることに。笑った。他の刀剣は風呂やらまだお酒を飲んだりと自由に過ごしている。
小生は、次郎さん(殿を付けたら男っぽくって嫌と言われたので)から頂いたお酒をちょびちょびと飲んでいた。膝の上にはさっきまで泣きながらお酒を飲んで酔いつぶれたご主人。現在夢の中である。そして溜息をひとつ。
｢嫉妬は醜いですよ…｣
ねぇ、へしくん？
振り返れば短刀達を寝かしつけたへしくんが殺気の如くこちらを睨んでいる。もうそれは、穴があきそうな程に。
｢ご主人が起きちゃいますよ｣
｢いつからお前はその方を主と認めたんだ｣
｢数刻前に｣
お酒をコクリと飲みほし膝の上に乗っているご主人の頭を撫でた。
｢主に牙を剥けば容赦なく圧し切る｣
｢その前に小生の刀の錆になりますよ｣
いつも負けてたのは貴方でしょと言えば更に眉間に皺が。あー怖や怖や。
｢そんなに怖い顔しないで。はい、ご主人運ぶの手伝って下さいな｣
うまく体制をたててご主人を起こさない様に抱き上げようとすれば、へしくんに遮られる。ちょっと何ご主人とってんだコラ。
｢お前が持っては主を落としかねん｣
我が物顔でご主人をとられ心の奥底で悪態をつきながら、ご主人の部屋に布団を敷いた。気持ち良さそうに眠るご主人の姿に頬を緩ませる。だが、後ろにいる気配にまた溜息をひとつ。
｢すぐに自分の部屋に戻りますよ｣
｢部屋まで送る｣
｢……………は？｣
思いがけない言葉に目を丸くする。己を真っ直ぐ見下ろすへしくんは無言で手を取り歩き出す。部屋についた所で立ち止まりへしくんの背中だけが目に映る。
｢いつ…、お前は折れたんだ｣
静寂に包まれた廊下はやけに彼の言葉が響いた気がした。
｢お前は勝手すぎる…｣
｢……｣
｢いきなり現れたと思えば、いつの間にか消えていく｣
｢…、っ、へしくん…｣
顔は見えないが握られた手が痛い。思わず名を呼べば手が放されこちらを向いた。
｢今度は勝手に消えることは許さない｣
｢うん｣
｢どんなことがあろうとお前を見つける｣
｢はは、それは逃げるのが大変だ…｣
からからと笑うと、デコを弾かれた。…痛い。
最後におやすみと挨拶し、彼の背中を見送った。
｢あれ…？｣
そう言えば己はどうやって折れたっけ。
●１８話 妖刀メンタル重症なう!!→←●１６話 貴方を主と決めた日２
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加州☆鶴丸☆三日月☆一期ファン - 消さないでください！！！！！ (2017年2月25日 21時) (
レス) id: 4110b38b3b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きが読みたいです...消さないで。応援してます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ビタミン365日(プロフ) - 水鳥さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです！この作品も話がいっぱいになったので新章を公開したいと考えています。新作のご意見も感謝です！！参考にさせていただきます。 (2017年2月1日 21時) (レス) id: edca99e45f (このIDを非表示/違反報告)
水鳥(プロフ) - 私としてはお話を続けてくださると嬉しいです。新作の方は刀剣女士のものが見たいです。新作もこのお話も楽しみにしています (2017年1月31日 20時) (レス) id: 55fe5a8c04 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください♪(´ε｀ )！ (2016年12月11日 9時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビタミン365日 x他1人 | 作成日時：2015年6月16日 20時
