story37─居場所 ページ9
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「うグッ……!」
瞬間、背中に重い衝撃が走った。
私だって馬鹿じゃあない。もう1人……中原幹部が私の背を蹴ったのだと分かる。
ただ、痛みで正常に動けないだけだ。
「おや?もうギブアップかい?喰種とやらも大した事ないんだねぇ」
「おい太宰、余裕ぶっこいてんじゃねぇぞ」
分かりやすく太宰さんは私を煽る。
中原幹部は前回の事もあり、私に対して凄い警戒心を持っているそうだ。
……太宰さんも、前に1度倒しているのだが。
双黒が揃ったことにより、私に勝ち目はないと思っているのだろう。
だがそれは、大きな計算違いだ
「もう一度君に問うよ。私達と共に着いてくるかい?」
「……厭ですね」
「……そうかい。残念だ。政府の狗には戻らないと云うのかい?」
「───私の居場所は、と或る喫茶処ですから」
私が不敵に笑うと、ナイスタイミング……とでも言うのか、人間の気配が1人近づく。
双黒の2人が動き出そうとすると、その目の前を白蛇が過ぎった。
「私の上司です。気安く触れないで頂きたい」
「……遅いよ、蛇君」
私の前に現れたのは、紛れもない小沢君だった。太宰さんはと云うと、全て察したのか、微妙な顔を浮かべている。
静かな静寂が私達を包む中、太宰さんがゆっくりと、確かめるように口を開いた。
「君だったのだね……Aちゃん。薄々気づいてはいたが……」
「決定的証拠がなかった。……だが、章友君が部下として来たことで全てが繋がったと?」
「正にその通りさ」
太宰さんはやれやれとでも云いたげに肩を竦めた。私は警戒の目を解かない、解けない。
「……今回は引かせてもらうよ」
太宰さんから出た言葉は、私の想像の斜め上を行くような言葉だった。
ただ、そう云い背中を向けた太宰さんは冷たい雰囲気を纏っていたが。
中原幹部も軽く舌打ちをして、太宰さんの背中を追いかけた。
私と章友君は、その姿を見送ることしか出来なかった。
「はぁぁぁぁ……」
余程緊張していたのか、章友君は盛大に溜め息を吐いた。前上司を目の前にして、中々勇敢な姿だったと告げれば軽く睨まれた。
「……太宰さんと中也さんが御相手だったのはまだ赦せます。……けど、これは何ですか!?本当に肝が冷えましたよ!!」
章友君は私の目の前に、私が章友君へ向けた置き手紙を掲げた。
『──────────』
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うりゅき(プロフ) - 明けましておめでとうございます!モンゴメリちゃんも色々抱えてますからねぇ。いつかは弓月ちゃんとモンゴメリちゃんを絡ませたいです笑 森さんの殺気、どういう反応にするか迷ってるんですよねぇ。今年も私共々この作品をよろしくお願いします! (2019年1月1日 11時) (レス) id: dc3c37d785 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - あと、少し遅れましたが明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします! (2019年1月1日 0時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - 更新お疲れ様です!森さんとの絡みですね〜!敦君は流石です!ルーシーちゃんは、喰種ごときって...泣く... 森さんの殺気どう反応(?)するのか、気になります!次回の更新楽しみにしてます! (2019年1月1日 0時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
うりゅき(プロフ) - 黒い天使さん» コメントありがとうございます!異能力者VS喰種ですね!私も書きたい衝動に駆られうずうずしてます(笑) (2018年12月28日 18時) (レス) id: dc3c37d785 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - 真逆、原作の交差点だとは!トーカちゃんなら羽赫使って自力で脱出しようとするだろうなぁ…って思います(笑)森さんと、どう関わるのか気になります!更新お疲れ様です!次回も待ってます! (2018年12月27日 23時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りうゅき x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sHihamu131/
作成日時:2018年9月30日 20時