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きょとんとした顔の琲世くんが首を傾げる。
琲世くんになら言ってしまって大丈夫だろう。
『この間ね、倉元に好きって言われたの。キスもした。』
「へぇ!すごい、くらもっさんやるねぇ。」
恋バナだと分かって琲世くんが嬉しそうに声を上げた。
『でもね、私自分の気持ちが全然分からないの。囮捜査の日の夜に自分からもキスしたし、倉元とのキスは嫌じゃないし…でも私、キスくらいなら誰とでも出来る。寝ることだって出来ると思う。』
今の発言はちょっとビッチっぽかったか。
琲世くんが黙り込んだ。
『倉元、あいつあんなチャラい感じなのにあんまり女の子の噂聞かないし。私のこと本気で好きなら…なんていうか…。』
「本気で好きなら?じゃあ倉元くんが本気じゃなかったらどうなの?」
本気じゃなかったら…
『ホッとする…かな。』
「ユウさんは倉元くんに好意を持たれて迷惑なの?」
またいつかのカウンセリングのようになってきた。
『好かれてるのは嬉しいけど。倉元のこと好きかどうかって言うより、誰かと付き合いたいって気持ちはないから…。』
そう言えば倉元は結婚を示唆するようなことも言っていた。
自分が結婚なんて、25歳だけど、全く考えられないし。
捜査官なんだからそんな人並みの"幸せ"みたいなことって似合わない。
なんだか弱くなりそう。
「うーん、ユウさんは頃合いを見て捜査官やめたいんでしょ?じゃあ今から付き合ってなんとかあと10年生き延びてさ…ってそんな仮定の話は嫌いか。」
琲世くんがうーんと言いながら膝を抱え込む。
「ユウさんが僕のところに来たのは自分の気持ちが分からないからでしょ?じゃあもうユウさんの体に聞いてみよう。」
『私の体に?』
琲世くんがバッと勢いよく立ち上がる。
「そうだよ!典型的だけど、僕とちゅーしよう。」
『ん?』
何が典型的?
「あーもう、だからっ、倉元くんとのキスと僕とのキスを比べたらいいんだよ。同じ気持ちにしかならないならユウさんは倉元くんのことなんとも思ってない。だから倉元くんからの好意に応える必要はない。」
確かに、琲世くんの言う通りだ。
「キスしていい?」
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ふうっち(プロフ) - めっちゃおもろいです!丈さんと郡さんもうちょい出てきてくれたら嬉しいかも(///ω///)♪ (2016年12月23日 12時) (レス) id: 3ba4688369 (このIDを非表示/違反報告)
蘭乃 湧(プロフ) - 塩キャラメルきいさん» ありがとうございます、少し滞っておりますが、必ず完結させたいと思っております。これからもよろしくお願い致します。 (2016年11月23日 3時) (レス) id: 3ed83b2322 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメルきい - すっごいおもしろかったデス!倉元&丈さん大好きなので嬉しかったですO(≧∇≦)o!!更新頑張ってください!応援してます! (2016年10月13日 22時) (レス) id: 5ea7337277 (このIDを非表示/違反報告)
蘭乃 湧(プロフ) - はんばーぐさん» ありがとうございます!もうすぐ完結なのですが最後までよろしくお願いします!! (2016年8月6日 13時) (レス) id: c5412138af (このIDを非表示/違反報告)
はんばーぐ - とっても面白いです!倉元もハイセもかっこよくて大好きです!丈さんの愛情がもう泣けました!文才が素晴らしくて、、、!更新応援しております! (2016年8月6日 4時) (レス) id: af4ac89678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭乃 湧 | 作成日時:2016年7月13日 12時