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午後の授業も終わり、部活動に所属していない生徒は皆友達同士でどこに寄り道しようやら帰ったら何をするやら、それぞれが色々な話題で放課後の過ごし方を話し合っていた。
「A、一緒に帰ろー! この前できたドーナツ屋寄ってこうよ」
帰宅の準備をしていると仲の良いクラスメイトのグループがAに向かって少し離れた所から声をかけてきた。
「あー誘ってくれてごめんだけど、今日炭治郎と一緒に帰るの。ほんとごめんね! また今度誘って!」
Aは申し訳なさそうに手を合わせながらクラスメイトに答える。
「全然大丈夫! にしてもAは本当にお兄さんと仲良いよね〜」
「あー。私知ってる。あの優しい人でしょ」
「私もこの前廊下で見たことある。仲も良いし羨ましいよね。私もあんな優しいお兄ちゃん欲しかったよ」
「あっでも二人ってあんまり似てないよね。最初お兄さんの姿見てもピンと来なかったな〜」
Aは友人達の会話を聞きながらにこにこと笑って答えた。
「それよく言われるんだよね。目の色とかも違うし。でも誕生日とかはちゃんと一緒だし、一応れっきとした双子でーす。……って私炭治郎待たせてるから早く行かないと!」
「はいはーい。じゃあ竈門の片割れまた明日〜」
「じゃあねー!」
Aはクラスメイトに手を振りながら急ぎ足で教室を後にした。
―――
Aが下駄箱で靴を履き替えていると、外の方に見慣れた兄の姿が見えた。
「あっ、炭治郎!」
Aは嬉しそうな表情で炭治郎に駆け寄った。
「……A」
「ごめん待たせた?」
「いいや、全然! さあ早く帰ろう」
二人は仲良く肩を並べて家への帰路を歩きだした。
「そうそう、この前レンタルした映画まだ見てないから帰ったら一緒に見ようよ」
「一人で見れないからホラーはやめておけば良かったのにな」
「夏も近いしちょうどいいでしょ?」
なぜか得意気にそう言うAに炭治郎はおかしそうに笑った。
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作者名:さぬやぎ | 作成日時:2020年4月13日 13時