ヤキモチを妬いた彼は元々狼だったのに野獣になりました。

・ ページ7

.



「勘違いするんだけど」って言うけど実際勘違いしてるのはなるせちゃんの方。それを仕向けたのは勿論私だけどこんな目の色を変える位怒るなんて思わなかった。


ちょっと頬を膨らまして「何であらきさんなの、どうせなら俺とのコラボのやつ聴いてよ」なんて想像していた。

なのに……



「……あぁ、もしかして浮気？そんな隠してんだからそういう事でしょ？」



「違うんだってなるせちゃん！あらきさんは何も悪くないの！悪いの私だから！」と首を少し振って言うと「何それ。浮気って認めたって事？お前から好きになったの？」とまたまた勘違いをしてしまうのだ。



『なるせちゃん聞いて！あのね…っ』



唇に荒々しくて嵐の様なキスが振った。ぎゅっと抱き締めて当分離してくれそうにも無い。

性急で荒々しい口付けはナニカを求めている様だった。



「良い度胸だよな。俺がいるのに、浮気とか」

『のーのーのー！ちがっ』

「ほんっと、殺 したくなる」

『ひょっ…』



「あぁ、勿論あんたじゃなくてあらきさんの方ね」って普通にあらきさん無罪なんだけど！！

…これじゃあ埒が明かない！聞く耳持ちやしないしここはズバッと率直に言わないと…。

念の為口を塞がれない様、手から足からなるせちゃんに巻き付け見た目こあらみたいな形にして、顔を服にうずくめた。



「は、何して…」

『きっ…企画なんですーーーッ！！！』



顔を服に埋めたままのせいか声が籠り気味だったがなるせちゃんの耳にはしっかりと聞こえただろう。これ程かという位に。



「企画って何が。もしかしてコレが？」

『そうです…ソレです…』

「………これ全部？」

『ソレ全体です…』



パッと顔を上げると案の定複雑な表情をしているなるせちゃん。怒りというか悲しみというか嬉しみというか…。

「……酷い…」と言いながらまた抱き締めてきたなるせちゃんを抱き締め返した。



「ホント殺 しに行ける。
……あ、勿論あらきさんを」

『だっ…！あらきさんは無実なんだって！！私が勝手にあらきさんの名前借りただけで……』

「えっ…ええ…あらきさんすんません…」

『すんません…』



今頃あらきさんはくしゃみを沢山しているのではないだろうか…。
後悔が溜息に出たあと、なるせちゃんが「よし」と言った。



「じゃ、しんじゃう位気持ち良くなろっか」

『え"？』

「ね」



まあ色々解決はしたけれど、この企画をなるせちゃんにすると身体がぼろぼろになる事が判明した。



.

とても大事なお知らせ→←nqrse

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す