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「……俺さ、今ちょっと腹立ってんだよね」
ーーーとは言ったものの、どうすれば良いか分からない。
「ななな何か、ごめんなさい」と円をかいている手を掴んだ。
「……蚊の分際でAに痕なんて付けやがって」
ポソッとそっぽを向いて呟く彼。今この耳でしっかりと聞いた。
嫉妬なのだろうか。腹立ってる…そういう意味なのだろうか。
「もしかして蚊に嫉妬ですか?」と小さく首を傾げいつまでも目線を合わせない彼に人差し指で頬をつついた。
「………」
『………そらるさんって、意外と可愛い所有りますよね』
ふふ、と唇を綻ばせる。ムッとした彼は足をもっと上げた。体制を崩して完全に寝転がる私を組み敷いて裏側の痕に唇を付けた。
むずむずするものだから自然と「んっ」と声が出てしまう。
「Aを紅くして良いのは俺だけなのにね。蚊に妬くとか、自分でも小さい男だって理解してるよ」
音を立てそこを吸い上げ他の所にも口付けをしてゆく。
「擽ったいからっ!」と身体を捩らせても彼が押さえつけて口を止める事は無かった。
「うん。よし、満足」
『……もうそらるさんの前で短パンは履かない…」
「あァ、浦島坂田船の紫色の奴の前では絶対履くなよ」じゃなくて!あんたの前だよ!
こっちは泊まれって言われて蚊に嫉妬して内出血だらけになると思っていなかったのだ。まぁ可愛いそらるさんが見れたから少しは良いって思うけれども。
最後にもう一つの虫刺されを絆創膏で塞いだ。
「………ねぇ、このまま朝までずっといちゃいちゃしてない?」
『え"朝まで…?』
「そうそう。A、グットラック」と親指を立て、薄く笑みを貼り付けた。無理です、と言う前に唇を押し当てられ、舌を絡めとられる様にキスをした。
これが大人の余裕なのか、好意に満ちた眼差しだった。さっきまで嫉妬心を爆破させる彼とは別人そのものだった。
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心愛 - ゆっくり休んでください!更新楽しみに待ってます! (2018年12月9日 3時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - ゆっくり休んで下さいね!また戻って来られましたら五月蝿い位応援コメントします(( (2018年11月27日 8時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
時(プロフ) - nonちゃんー!スター作者おめでとう!やめるって読んだときめっちゃびっくりしたけどやめないんだね。よかった…!これからも更新頑張って! (2018年10月10日 21時) (レス) id: 965b489066 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - らいむ@まふらーさん» そうはなったんですけど……もう色々とめんどくさいです…笑結論は"姉ちゃんに渡す"と話し合って決めました。ボード通知来てないんで見てないんですけど分からない方がいるのでそれで終わりにします〜 (2018年10月10日 8時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
らいむ@まふらー - 続編おめでとうございます!ボード読ませていただきました………ルールを守らないのはよくないけれど結論を言っているのにどうしてまだ続くんでしょう……お姉さんに渡す、それでいいと思うのに…… (2018年10月9日 19時) (レス) id: 2458ad9456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:non | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/s286VIkFOc3/
作成日時:2018年10月6日 23時