ハツジョージキ【まふまふ】 (ページ31)

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病院について間もなく、直ぐに名前を呼ばれた。良かった、空いていて。

………だが、病院になんて行かなければ良かったと思った。

「発情期じゃ……ない…？」

先生にそう言われ僕は驚きを隠せなかった。発情期では無い事は確かと言われてどうすれば良いか分からなかった。

じゃあどうなるんだ、先輩は。僕のせいで…。

「うーん、自律神経失調症…の前提とかかなぁ…」

まだよく分からないらしいが、兎に角ケアをするらしい。そんなケアなんて今どうだって良い。早く終わらせて、この事を言わなくては。

「…。」

言う…？何を…？発情期なんかじゃなかったです、すいませんでした…って？そんなの許されるはずがないよ。

…じゃあ、僕はどうすれば良い？

「……また、来ますね」

喉の辺りが詰まる様に痛くて唾を飲んでも治らないのが気持ち悪い。

先輩に嫌われちゃうの…？それにこの症状は何なの？

気付いたら僕は外に出ていて、てくてくと先輩の家へと向かっていた。何故か足が重くて歩く気にならない。だって、そしたら駒と使ってたって事でしょ？どんな顔して会えば良いの？

「…。」

僕は暫く突っ立ったまま、離れられなかった。

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ヴーッと音がして、どこからだろうと思ってソファとしたや机の下を探す。あれ、見当たらないと思ってクッションを上げてみると、バイブ音がしている物が目の前に。

"そらるさん"という名前が出ていて、一瞬出るのを躊躇ったが、仕方ないと腹を括って電話に出た。

『も、もすっ…もしもし！』

緊張で噛んでしまったが、「何ですか？」と何も無かったように続ける。発情期の薬役という事を知って以来話すので言葉が上手く出ない。

怒られる！？遂に怒られる！？と構えていたのだが…。

「あれ、今一人なの？」

『へいっ！！』

声のトーンは怒るときのそらるさんの声じゃない。略しておこる(そらる)。

そしてまた噛むという…寿司屋みたいになってしまった…。

まふ君は病院だと言うと「あー…そっかぁ」と眠たそうに呟く。

「じゃ、ちょっとそらるさんとお話しよっか」

台詞的にとても怖いがそんな事無く、声の低さで直ぐに分かった。

『お話……ですか…？』

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