ハツジョージキ【まふまふ】 (ページ30)

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「………もう先輩…何でそんなに鈍感なんですか…」

僕は頬をぷくーっと膨らまし萌え袖だったのもきちんと直して完全に拗ねてますアピール。「まふ君ーー」と呼びかけても反応をしてあげない僕。ちょっと意地悪。

鈍感なのこれ？計算してるんじゃないの？

『ご、ごめん…本当に分からないの。何で怒ってるの？』

「なっ…まだ分からないんですか！？こんなにアピールしてるのに！？」

ごめん…と一言謝るが僕は溜息をつくだけ。

「本当に分からないんですか…？」

『…。』

そんな…そんな…

そんなあからさまに困った表情しないでよ…。こっちが困る。

一体いつ伝わるんだ……ってか何年好きなんだろう。中学二年の時からだから………10年ぐらい？な、長っ…。

そうだ、試しに…と思って短く、そして真剣に告白をした。

「……好きです先輩」

『え？うん、私も好きだよ』

……絶対伝わってない！！！そういう好きじゃなくてああゆう好きであって…！もっと視点を変えてよ！

何だろうな、行為をしていた時は気分が天国にいるみたいだったのに、急に地獄へと引き摺り込まれた感じだな…。

「もー…良いですよ…病院行ってきますから」

不貞腐れた僕は自分の荷物を持って玄関へと歩いて行く。「あっ、待って」と先輩が止めたものだから溜息をしながら振り返る。それに、ちょっとした期待を抱きながら。

「あのねあのね」とさっきの好きと言ったのを軽く答えた事に気が付いたのか、わたわたとしている可愛い先輩。

『私もまふ君の事好きだからね！本当だよ！嫌いになんてなったりしないし、その症状で私が迷惑かかってるなんて思わないでね！じゃ、行ってらっしゃい！』

「…。」

そういう好きじゃなくても今のはぐっ…と来た。あ、触りたいって思っていた時にはもう先輩に手を伸ばしていて。

『え？？あ、あの…まふ君？』

先輩は戸惑っていて、僕の様子を腕の中から見上げる。

……またまた可愛いなんて思ったり。

「………寒いから、抱き着いてるだけ」

そう言うと腰に回された先輩の細い腕。その行動にまたしてもぐっ…と来てしまったのだ。

あーあ、僕はこの人に滅法も適わないらしい。

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