ハツジョージキ【まふまふ】 (ページ22)

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彼は「へぇぇ～」とニヤニヤした顔で私達を交互に見て、上から下まで全てを見られた。

『絶対言っちゃ駄目だから！マッチ売りの少女になっちゃうんだから！』

「………何言ってんですか？」

この人どうしたという目で見られたが事実なんだ。正夢になんかなったらどうするの。

「言わんよ～」と足を組んでいるるす君はティーカップを口へと持っていく。そんな彼は突然「そやまふ君、指」と言って手を差し出す。その上に手を置くと、手に顎をやった。

「あー確かにここ…噛み跡みたいなんあるからな。した事は事実っぽい」

「『んなっ…！』」

挿れる時は痛いからと言って中指と人差し指の二本を加えて「辛かったら噛んで」と言われた。

すっかり背中の傷しか意識していなくてそんな所まで見ていなかった。

「何なの…るす君って経験豊富なの？」

「…んー？不健全なだけやん？」

=豊富ということだろうか。てか否定はしないんだ。苦笑いを溢しているとるす君は頷いて「やっぱりな…」と。

「何はともあれ二人はいずれくっつくと思ってたよ俺は」

この言葉に耳を疑った。私とまふ君は同時に「はぁ？」と間抜けな声を出した。だが関係無く勝手に話を進めていく彼。

「まふ君はAの事になると口止まらんし、Aはまふの事になると急に笑顔になるし…」

え”。そなの？全然そんな気しないけど…え？嘘。

だがこの反応は私だけではなかったようだ。まふ君も同じ反応をしている。

「なんやけ…先輩は凄く良い匂いがして？肌とか柔らかくてすべすべして？唇とかもっと柔らかいん…＿＿」

「わぁぁっ！はぁ！？何それ！そんな事言ってないし！妄想でしょ！？」

「まふ君の？」

「ちがぁぁう！！」

そ、そんな事言ってたのまふ君…いくら私が肉付きが良いからってそれはないんじゃない？流石に酷くない？

「先輩何か勘違いしてるでしょ！」と言う彼に「別に…」と凹む。

「違うよA、まふ君はソウイウ事したいって思って言ってた訳やから」

「何でるす君全部暴露しちゃうの！酷いよ！！」

「…事実なんやね」

「煩いなぁ！」と赤面なって顔を両手で隠す。るす君は適当に謝って「お手洗い借りるわー」とさっさと行ってしまった。

…るす君がいないだけでこんなに変わるんだ。静か…だなぁ。

「あ、の…先輩…」

『ん？』

机に顔を伏せたままの体制で片目だけ出して突然こんな事を言った。

「ちゅー…して良いですか？」

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