Story of Songs【あんスタ】【短編集】

ある日の話＊紫之創 ページ6

.



——やっぱり楽しいです……♪




---





「Aさん、紅茶が入りました〜♪」




「わぁ、さすがしのくん！美味しそう……」





目の前でキラキラした目をこちらに向けてくるのはAさん——僕と同じクラスのプロデューサーさんです。


紅茶部の活動日である今日、二人で一足先にガーデンテラスに行こう！ってAさんに言われて、それで今に至ります。





「いただきます……ん〜♪やっぱりしのくんの淹れた紅茶がいちばんだな、私これ以上のもの飲んだことない！」




「えぇっ、そんなっ、Aさんの淹れた紅茶、僕すごく好きです！」




「嘘、初めて褒められた！？嬉しいっ、ありがとうしのくん……！」





がしっ、と手を取り、こちらをまっすぐ見つめるAさん——ちょっと恥ずかしいですけど……。



僕が恥ずかしがっているのに気づいたのか、そうでないのか手を離すと、「そういえばね、」と話し出しました。





「私昨日コンビニでやらかしちゃったの」




「えっ、何があったんですか……！？」




「いやね、会計が685円だったんだけど、財布に100円玉七枚！よし！って思ってたら一枚50円玉で……35円足りなかったんだよねぇ……」




「ふふ、Aさんってやっぱり面白いです……♪」




「いやいや、面白がらないでしのくん！？そういえば私、コンビニでやらかすの初めてじゃなかった……前もやらかした」




「何したんですか……？」





笑いすぎて出てきた涙を拭いながら訊くと、ちょっと拗ねたようにAさんは紅茶を一口飲んで話し始めました。





「ほんといっぱいあるんだよ……なに、私コンビニに嫌われてる？お弁当あっためたまま帰っちゃったり、おでんの汁扉にぶつかって溢しちゃったり……何回店員さんにご迷惑お掛けしたか！」




「ふふふ……ごめんなさい、ほんと……」




「うわぁん、しのくんまで笑ってるし！てか泣いてるよ！！どんだけ私の話面白いの！？」




「ふぅ……確かに穴以外似てますよね、100円と50円玉」




「ね！そうだよねっ、だから私悪くない！！」




「そういうときは分けて入れておくといいですよ、間違えなくなります」




「そっかぁぁ〜！！ぜんっぜん考えたこともなかった……！ありがとうしのくん！！頭いいっ、天才……！」




「は、恥ずかしいです……！」





ぎゅ、と横から抱きつかれているところをお兄ちゃんたちに見つかって、質問攻めにされました……。






.

作者より(リクエストについて)追記あり→←たぶん＊伏見弓弦

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す