ニンゲンが地下世界に“召喚”されました…！？ <３>【UNDERTALE 長編夢小説】

第87話 報せ ページ3

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明るい雰囲気の建物が立ち並ぶ町中を忙しなく進むデイビッドは、ある男に目をつけた。漆黒の制服をきっちりと着こなし、開店準備に勤しむ男は、彼の投げかけた質問に首を振る。



「…やはり、わからないですか。ああ、いえ、ありがとうございます」



申し訳なさそうにする男に彼は笑いかけ、グリルビーズを後にする。



「……もう、大丈夫ですよ」



火のモンスターの男…グリルビーは、彼の姿が遠くなったことを確認してから、店の扉の奥へ告げる。そこから、難を逃れて安堵する三人の声がこぼれたのだった。

一方、デイビッドは歩きながら訝し気な表情を浮かべていた。その瞳は、以前にも増して昏さを帯びている。



「…流石におかしい。くまなく探していてここまで巡り合わないなんて。よっぽど逃げ足が速いのか…」



彼のフードに隠れるフラウィは、彼の言葉を受けて更に付け加えた。



「あの骨野郎も持ち場に居なかったし…もしかしたら、ショートカットを使って逃げてるとか…？さもなくば、誰かがアイツのようにニンゲンを匿ってるのかも？」

「ッ…そんな…」



――“まさか”と言いかけた彼は、しかし、最早そうとも言えない現状に口を閉ざした。

実際、彼がこの町のどのモンスターにニンゲンのことを問いかけても、殆どが知らないと答える。そうでなければ、前は見たような気がすると、何とも曖昧な返事をするのだ。

しかし、デイビッドは彼らを疑いたくはないという思いから、それ以上の詰問は避けていた。その結果、今に至るのだ。

拭いきれない疑心は、最早彼の思いだけでは抑えきれないところまで膨らんでいた。
そんな彼を追い立てるように、フラウィは彼に囁く。



「わからないよ？アイツらは隠れて皆をそそのかして…仲間を増やしてるのかも」

「ッ…そんなことがあってたまるか…！ニンゲンめ…」



恨めしそうな顔で歯を食いしばる彼を見て、フラウィは静かに口の端を吊り上げた。

とても上手くいっていると、心の中でほくそ笑みながら。



その頃、Aたちはアンダインの家に到着し、デイビッドたちの魔の手が確実に差し迫っている事実に、苦悩の表情を浮かべていた。

そんな中、パピルスが持つ携帯がふと呼び出し音を鳴らした。



「あれッ？この番号は…サンズからだッ！」



突然の連絡に皆が驚く中、彼はすぐに応答する。そして、僅か数秒後。



「…え…ええええぇッ！？」



そんな彼の驚愕の声が、洞窟に響いたのだった――

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