にじいろメモリー（W.短編集裏） (ページ10)

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メッセージ（赤緑）ページ10

緑side

ピコン

在宅ワークの最中、パソコンとにらめっこしていれば通知音。

バッと手を伸ばせば俺の好きな人からのメッセージ。

俺には2年前から好きな人がいて、この前勇気を振り絞って声をかけた。

その好きな人は、宅配便のお兄さん。

キラキラの笑顔と、健康的な身体と元気な声。

爽やかな黒髪に、笑った時に左の頬できるエクボ。

俺はいとも容易く心を射抜かれた。

必要なものを注文する度に、あの人は来るだろうか。

違う人かな、おじちゃんかな。

インターホンを出る時一喜一憂する時間も好きだった。

そんな俺が勇気をだして声をかけたあの時、

ほんまはお客さんと個人のやり取りはあかんけど！って言いながらIDをさらさらっと伝票の裏に書いて渡してくれた。

あん時は舞い上がるような気持ちで、きっと地に足がついてなかったと思う。5ミリくらいは浮いてたんちゃうかな。

そんなことを思い出しながらメッセージを開けば

『今日荷物お届けにあがりまーす！珍しく荷物少なくて神山君の家が最後やで！』

との事で。読んで直ぐに思い浮かんだのは、お仕事終わり一緒にご飯でも行かれへんやろか。という思いだった。

客にこんなこと言われたら引かれるかな。迷惑かな…

ええい、送ってしまえ！当たって砕けろ、男やろ！

待ってます！もし時間あればお仕事終わりにご飯行きませんか、というような内容のメッセージを送信した。

胸の高鳴りが収まらない。

ああ、貴方からのメッセージが待ち遠しい。