りとるプリンセス《 Lil かんさい》 (ページ4)

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斗亜.

斗「斗亜が結びたい！」

『え、それは全然ええけど……できる？』

拓「Aの髪サラッサラやから結びにくいで」

風「何で拓哉が知ってんねん」

拓「よお乾かしとるし、たまに結んでるからな！」

岡「マウントやん」

斗「……なあもう、今は斗亜やんか！Aちゃん！」

西村くんとAちゃんはほんまに仲が良い。風雅もやけど、同期の絆はやっぱりとんでもないんやといつも思わされる。悔しいけどな。

髪がサラサラだとか、そんなことを暴露されてもAちゃんは気にも留めず。なんてことない顔で「ゴムならあるで〜」なんて手首につけたそれを渡してくれた。

ほんのちょっとの好奇心やけど、いつかはAちゃんが動揺するとこ見てみたいなあ。別にどうもせんけど。何なんやろこの感覚、いたずらしたいみたいな感情？

斗「Aちゃん、めっちゃええ匂いする！」

『え、そう？ダンスして汗かいてんけど』

斗「なんかずっとシャンプーの匂いすんで」

『……ほんま？あざといな』

風「自分で言うな」

拓「石鹸の匂いとか弱いで、おれ」

『あんたの弱み知ったとて……』

仲は良いけど、Aちゃんは西村くんに厳しかったりもする。

西村くんは「もっと甘くしてー！」とか、「俺も年下やのに！」なんて不満そうやけど、何も分かってないんやろうなあ。そうやって接するのも、Aちゃんにとって西村くんが特別ってことやのに。

斗亜は、可愛がってはもらえてもそんな風にはされへん。

琉巧とか彪太郎に対しても、Aちゃんは良きお姉ちゃんやし。風雅には中立な感じするけど、西村くんには全身全霊で甘えてると思う。

斗「西村くん、ずる」

拓「……なにが！？」

斗「なんでも！」

拓「分からん分からん、斗亜の方がずるいやんか！」

『まあこの可愛さはずるい、許されへん。罪やもん』

風「小島くんみたいなこと言わんといてや」

『あっ、小島くんに電話せなあかんかってんな！』

琉「また？」

斗亜から見て鏡越しに「私が電話せな生きていかれへんらしい」なんていたずらっぽく笑ったAちゃんは、嬉しそうに電話をかける。何やかんや言うても小島くんのこと大好きやもんなあ、Aちゃん。

こんな風に色んな男を誑かしてるけど、Aちゃんはほんまに愛でたがり。

信じられへんほど周りから愛でられてるくせに、なんやねん。ちょっとは斗亜のことも見てや、なんて。