3. 甘やかしたがり ページ3
斗亜.
「Aちゃーん！」
『よっしゃこーい！』
斗「……またやっとる」
拓「せやなあ……」
あけおめのリハーサル中、Aちゃんはちびっこたちと遊ぶのがお決まりになりつつあった。もちろん休憩中やけど。
今なんて、突進してくるぼいびたちを抱き上げてくるくる回ったり……きゃっきゃと騒ぐ姿は微笑ましいけれど、仮にも女の子なんやで？そんな休日のパパみたいな遊び方せんでも、なんて思った。
とは言え今抱えられているあっちゃんは、Aちゃんからしたら相当軽いらしく……にこにこ笑顔で楽しそう。
『あ〜、でも重たくなったなあ。皆もっとちっちゃかったのに』
篤「Aちゃんのこともあとちょっとで抜かしますよ」
『言うたで？もっと大きくなりや』
丸「Aちゃん、女の子やもんなあ」
『ジェントルマンはモテるで、まるちゃん』
何となく分かってたけど、Aちゃんは、今まで先輩たちにしてもらってたことを返してるつもりなんやと思う。
西村くんや風雅曰く、大吾くんや正門くんに抱っこされ、小島くんにおんぶされ……エイトさんやWESTさんの、錚々たる面子にも甘やかされて育ってきたらしい。
まあそりゃそうなるやろうな。あんだけ可愛かったら、斗亜も抱っこしたいと思う。
そんなことを考えながら休憩していると、Aちゃんもそろそろキツくなってきたのか、「皆一旦休もな！また後で！」なんてぼいびと別れ、こっちに戻ってきた。
『……腰バッキバキ』
斗「あ〜、言わんこっちゃない」
風「無理すんなよ、20歳」
『ちょ、それはこの世の20歳敵に回してるからな。ピッチピチやで』
琉「やとしても自分で言わんやろ、それ」
岡「Aちゃんが言うとなんかな、」
『何やねん』
拓「ピチピチ感あんまないよな！」
『……たくや、オブラートって知ってる？』
ひとりひとりの発言に丁寧につっこみ、そのままどさっとソファに座り込んだ。
リハーサルやから緩く巻かれただけの毛先が揺れて、ふわふわとシャンプーの匂いがする。「結ばんの？」と聞けば、「結びっぱなしやと痛いねん」と返ってきた。
斗「斗亜、Aちゃんのツインテール見たい」
『……斗亜ちゃんに言われたら死ぬまでやるけど、どうする？』
斗「100歳超えてもツインテールか、新しいな」
『私何歳まで生きるん？』
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2023年3月14日 1時
