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22ばんめ ページ23

「A、さっきまでここにいたんですけど…」

「またカーテンにくるまってんじゃねぇのか?」


二郎が立ち上がり、くくられているカーテンのひもをほどく。

すると、「うみゃっ」っていう声が聞こえ、ころんとAが出てきた。


「またここに隠れてたのかよ…」

「にぃちゃ…」



少し涙目になりながら、二郎の足にしがみつく。

結構人見知りらしい。…俺らのときはそんな感じはしなかったけど。


「え、この子?」

「…そうだけど」

「……一郎、さすがに誘拐は」

「してねぇよ!?依頼で預かった子だから!」



俺よく勘違いされてるけど決して違う。本当そんなこと言うのやめてほしい。

冗談だと乱数は笑って、Aを見る。

少しびくびくしながらも、Aも乱数のほうを見つめている。


「Aちゃん!初めましてだねっ」

「はじめ、まして…」

「僕ね、飴村乱数っていうの!」

「あえみゅら…?」

「ら、む、だ、だよっ」

「りゃみゅだ?」


やっぱりら行が言えず、乱数の名前があまり言えてない。

っていうか、ま行も危うくないか…?


「ちょっと違うけどかわいいからいいや、よろしくねAちゃんっ」


乱数のテンションとは違い、おどおどしながら、こくこくとうなずいた。

やっぱり、少し声の大きい人となると、びっくりするらしい。

…それが、Aの受けていた、虐待に関連しているのだろうか。


「真っ白な髪に赤と緑の目…なんだか左馬刻と一郎が混ざった感じだねっ」

「冗談でもやめてくれ。腹立ってくるから。あとAとそんなやつを一緒にすんな」

「あはっ、こっわーい」


くすくすと笑われ、それじゃあ、と家を出て行った。

…ほんと、何しに来たんだ?乱数は…

嵐のようなやつが、去って行って、家の中は急にしんと静かになる。

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(プロフ) - ヒプマイ沼ハマさん» 特に深い設定はつけてません。ただ、虐待を受けている影響を表せたらいいなと思いそういう喋り方にしています。 (2019年9月23日 0時) (レス) id: 3d81b48405 (このIDを非表示/違反報告)
ヒプマイ沼ハマ - うちの知り合いの子は四歳でもハキハキ喋りますけど、これはどういう設定で? (2019年9月22日 23時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 南さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。更新遅めですがお付き合いしていただけると嬉しいです! (2019年6月26日 22時) (レス) id: 3d81b48405 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主ちゃんがめっちゃ可愛いっすめっちゃ可愛いっす(大事なんで二回) 今から続編を読むので続編はどんな感じなのかなとワクワクしてます! これからも頑張ってください!! 長文失礼しました。 (2019年6月25日 21時) (レス) id: d0756aba1a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夢花 (仮垢)さん» そう言ってもらえてめちゃくちゃうれしいです…!ありがとうございます!!ちゃんとラストは幸せにするつもりですw (2019年1月17日 21時) (レス) id: d886c652ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月8日 9時

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