【ヒプマイ】いきなりですが、幼女を拾いました

18ばんめ ページ19

棚にあった、チョコを探してAに持たせる。

見るからに食べるのが楽しみなようで、耳としっぽが見えるほど顔に出ている。

…チョコの袋に「二郎」というのが見えたけど、Aのためだ。

二郎よ、許せ。


「いや許さねぇから」

「は？なんでいつの間にいんの。キモイんだけど」

「はぁ！？」

「ちょっと、大声出すなよ。Aがびっくりするだろ」

「お前が余計なこと言うからだろ！？」


あーあ、うるさい低能がキャンキャン鳴きだした…。

はぁ、とため息をつく。

すると、僕の足元にいたAがてちてちと歩いていく。


「…にぃちゃ、にぃちゃの？」

「あっ？」


二郎の足元に行き、二郎の服を少し引っ張っている。

ちょっと怯えてないか？また過呼吸になったりしないよね？

はらはらしながらもAを見てみる。


「にぃちゃ、Aちゃのために、ちょこくりぇたにょ」

「お、おう」

「でも、これにぃちゃにょだったらAちゃはもらっちゃ“めっ”なの」

「ん゛んっ」


Aの“めっ”っていう部分に絶対こいつはダメージくらった。

正直僕もやばい。かわいすぎか。


「……A、それはAにやるよ」

「えっ」

「食べたいんだろ？いいよ」

「でもっ」


ぐいぐいとチョコの袋を二郎に返すように押し付けている。

二郎はAの視線に合わせるようにしゃがむと、袋を開ける。

中は個装されていて、一つ取り出してまた袋を開けると、Aの口へ運ぶ。


「あーん」

「ふぇっ？」

「口、開けて」


早く、とせかすと、目をぎゅっと閉じて口を開けている。

チョコを口の中に入れると、ぱくっと閉じられて笑顔になった。


「おいしいか？」

「んーし！」


満面の笑みでおいしいと伝えている。

あまりの可愛さに、二郎がそのまま倒れて正直キモかったことは、口に出さないでおこう。

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