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10ばんめ ページ11

「…ごめんな、一人にさせて」

「にぃちゃ、にぃちゃぁ……」


泣いているAの頭をゆっくり撫でてやる。

俺とは反対の色、真っ白なAの髪はよく見ると少し汚れている。

どこか寝転がって汚れたのかなと一瞬思った。

けど、二郎や三郎を撫でるときとは違う。

二郎や三郎と違って女の子だ。この年でも身なりは気にすると思う。

だけどAの髪は……異様に、べたついて、絡まっている。


「…一郎くん」


寂雷先生が、口を開いた。

何か伝えたいことがあるのだろうか。

…多分先生も、俺と同じことを思っているはずだ。

やっと泣き止んだAと少し離れ、俺はAの目を見てしっかりと伝える。


「…A、わりぃが先生の話聞きに行ってくるな」

「うぇ…にぃ、ちゃ…いくの…?」

「すぐ戻ってくるから。…泣かずに待っててくれるか?」

「……うん、A、まちゅ」

「ありがとな。すぐ戻るから」


離れることがよっぽど嫌なんだろう。今にも泣きだしそうな表情をしながら俺をじっと見つめる。

そんなAを心配しながら病室から先生と一緒に出ると、先生は口を開いた。


「手短に伝えよう。…あの子、Aちゃんは普通の子とは違うところがあるみたいだね」

「…何かあるとは思ってたんすけど、先生は何か分かったんですか」

「あぁ…詳しいことは診断しなければならないけど…普通の子と比べて、あの子は身長も体重も平均に満たしていないと思うんだ」

「やっぱり…抱っこしたとき、めちゃくちゃ軽かったんです、あいつ」

「そうかい…それと、肌や髪の状態から見ても子どもとは思えないのだよ」

「え…?」

「…栄養失調の可能性もあるね」


先生に告げられたことで、嫌な予感がほとんど的中している気がしてきた。

いや、最初から俺はわかっていたのかもしれない。

あの女の子……、Aが、親から虐待を受けていたのではないかということを。

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(プロフ) - ヒプマイ沼ハマさん» 特に深い設定はつけてません。ただ、虐待を受けている影響を表せたらいいなと思いそういう喋り方にしています。 (2019年9月23日 0時) (レス) id: 3d81b48405 (このIDを非表示/違反報告)
ヒプマイ沼ハマ - うちの知り合いの子は四歳でもハキハキ喋りますけど、これはどういう設定で? (2019年9月22日 23時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 南さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。更新遅めですがお付き合いしていただけると嬉しいです! (2019年6月26日 22時) (レス) id: 3d81b48405 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主ちゃんがめっちゃ可愛いっすめっちゃ可愛いっす(大事なんで二回) 今から続編を読むので続編はどんな感じなのかなとワクワクしてます! これからも頑張ってください!! 長文失礼しました。 (2019年6月25日 21時) (レス) id: d0756aba1a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夢花 (仮垢)さん» そう言ってもらえてめちゃくちゃうれしいです…!ありがとうございます!!ちゃんとラストは幸せにするつもりですw (2019年1月17日 21時) (レス) id: d886c652ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月8日 9時

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