やっぱり運命の人~third~

98. ページ22

·





それから日常的に何にも変わらず、





Aさんとの距離も変わらず





相変わらずな日々を過ごしてた。





Aさんは、普通に喋れるようになってきたようだ。
前よりも聞き取りやすくなった。





毎日病院に通ってる俺に、





「私とそんなに一緒にいたいんですか」





って調子乗ったこと言われた時もあったけど、





バカで弱虫でどうしようもない俺は





『なんとなく来てるだけ。来なくていいならもう来ないけど』





なんて、結局ホントの事は言えない。





思ってもないことなら饒舌に出てくるのに、1番に伝えたい事は全くでてこない。





段々イライラしてくる。





こんなに素直じゃない俺に。





俺の気持ちに全く気付きそうにないAさんに。





……最近、好きって言ってくれないAさんに。





正直、事故のせいで俺にめっちゃアピールしてたこと忘れてたらどうしようって不安だった。





でも、目が覚めて1番に電話してきたのが俺って聞いて、それはないと安心した。





でも、やっぱり気持ちを伝えてくれないのは不安になる。





いや、それは俺がさっさと告ればいい話なんだけど…





矛盾だらけだ。
ほんと恋愛ってめんどくさいし、難しい。





今日は土曜日。





なんとなくいつもより早いけど、お昼頃からAさんの病室へ向かった。





…けど、病室はいつもと違った。





笑い声が聞こえたんだ。





Aさんと、もう1人。





全く聞き覚えのない男の声が。


·

99.→←97.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す