十章ー予感ー ページ12
絵里「あ…」
部室に向かおうとした矢先、絵里が呟くように言葉を発した。
A「どうした、絵里？」
絵里「このプリント…職員室に提出しないと…」
希「あ、それならウチが行ってくる。えりちは部室行って始めててくれん？」
絵里「ごめんなさい。お願いしていいかしら？」
A「待て。ならばそれくらいには付き合おう。絵里、今日の練習場所は確保しておいた。部室に小太郎がいるはずだから聞いてくれ」
絵里「分かったわ。ありがとう、A」
A「では、希、行くか」
希「せやね。それじゃえりち、また後で」
そう言って別れた俺は、希と共に職員室へ向かった。
希「ありがとうね、A」
職員室へと続く廊下を歩いていると、希が突然そんな事を言い出した。
A「それは何に対する礼だ？」
希「ウチらを手伝ってくれてありがとうって意味や」
A「ああ、そういうことか」
希「A。どうしてウチらの事をそんなに気にしてくれてるん？」
と、そこで唐突にそう質問してきた。
A「…。それは…」
俺は答えに詰まる。下手なことは言えない…ならばここは。
A「いなくなる前に、少しでも力を貸そうと思ってな」
希「いなくなる？卒業のことなん？」
A「まぁ、それもある」
あながち嘘ではない。三年生が卒業する前に、色々助けたいのは本当だし。
希「…A」
A「ん？なんだ」
希「…何するかは知らんけど…たまには、頼ってくれてもええんよ？」
ウチは歳上なんだし、と付け加えて希は柔らかく笑う。
A「…なに？」
俺は思わず希の顔をまじまじと見てしまった。
ふと、目があった。全てを見透かすような綺麗な目。
…まさか、俺の秘密が感づかれてるか？
希の頭の良さ…もとい勘の良さは筋金入りだ。
もしかしたら…。い、いや。だが…。
A「フッ…まぁ、些細な迷いだ。お前たちの協力には及ばない」
…俺は、何時もの調子で喋ることしかできなかった。
希「…ホントに、対したことじゃないん？」
A「ああ、本当だ」
希「…なら、ええんやけど」
希は解せないような面持ちで顔を伏せる。
俺は、内心冷や汗をかきまくりながら、職員室へ行き、その後の部活に参加した…。
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菊(プロフ) - こちらでも生存報告しておきます。私生活多忙のため、続編を書けていないこと、誠に申し訳ございません。完結まではもっていくつもりですので、どうか長い目で見守ってください (2015年5月13日 18時) (
レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 何とか生存しててよかったです。無理しないで頑張ってください (2015年3月6日 21時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - うえぽんさん» 一応生存報告をw学校でテスト中でして製作止まってますw復帰は2日後か3日後となります… (2015年3月6日 7時) (レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 続編ファイトだよ！ (2015年3月5日 20時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 自分もミューズのメンバーはすきだけど、ことりと花陽が好きですね。更新お疲れ様です♪ (2015年3月2日 20時) (レス) id: 52f8adeea0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菊 | 作成日時：2015年1月12日 13時
