約三年間行方不明だった美女はヨコハマに帰って来たようです 参【文豪ストレイドッグス】

中島敦 生誕祭 ページ1

長い十連休も終わりに近付きまた更に業務に追われる武装探偵社

敦は依頼に出掛け､その他社員は探偵社に残り報告書や始末書を制作していた

報告書の制作が終わった谷崎は一息付きお茶を飲むと前触れもなく云った

谷崎｢皆さん敦君の誕生日ってご存じですか？｣

同じくお茶を啜っていた国木田が谷崎の声に反応した

国木田｢行成如何したんだ｣

谷崎｢そう云えば知らないなと思いまして...国木田さんはご存じですか？｣

国木田｢俺は知らん｣

谷崎｢そうですか...なら鏡花ちゃんは？｣

ナオミと与謝野と三人で会話をしていた鏡花は谷崎の方を向き静かに首を振った

鏡花｢知らない｣

ナオミ｢私も知りませんわ｣

与謝野｢妾も知らないねェ...乱歩さんは？｣

駄菓子を頬張っていた乱歩は足をデスクに伸ばして云った

乱歩｢興味無いから知ーらない！｣

谷崎｢ですよね.....｣

谷崎はいつも通りの乱歩を見ながら頬を掻いた

谷崎｢なら賢治君は？｣

賢治｢僕も知りません！｣

谷崎｢だよね...｣

与謝野｢太宰とAさんなら知ってるんじゃないのかい？敦の事を一番良く知ってるのはこの二人だし｣

これまたいつもの調子で話している太宰とAを指差した与謝野

太宰｢ん？｣

A｢私達に何か用かい？｣

太宰とAは同時に首を傾げる

谷崎｢そうですね！お二人は敦君の誕生日をご存じですか？｣

A｢知ってるよ｣

太宰｢それがどうかしたのかい？｣

谷崎｢そう云えば敦君の誕生日を知らないと思いまして.....他の皆さんもご存じないようですし誕生日が判ればお祝い出来ますから｣

国木田｢それで一体いつなのだ｣

太宰｢訊いて驚くと思うよー｣

谷崎｢驚く...？｣

谷崎は首を傾げる

A｢そんなに教えて欲しいなら教えてあげるけど間に合うかなぁ？｣

谷崎｢間に合う...？｣

国木田｢いいからさっさと教えろ｣

国木田が若干苛立ちを込めながら云う

太宰｢うふふ､そんなに知りたいなら教えてあげよう！｣

A｢絶対驚くと思うよ｣

二人は似たような笑みを浮かべながら同時に云った

A･太宰｢敦君の誕生日は五月五日だ｣

国木田｢五月五日だと？.....おい谷崎､今日は何月何日だ｣

国木田は冷や汗を垂らしながら谷崎を見る

谷崎｢え､えと.....｣

谷崎は暦(ｶﾚﾝﾀﾞｰ)を二度見すると顔を引き攣らせる

谷崎｢今日は...五月五日です.....｣

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