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でも、何を言っても貴方は納得しないと思ったから。
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黒尾side
「で? ……Aがどうしたんだよ。」
高橋の拘束を解いて、さっきの言葉の意味を聞く。
「……お前が悪いんだよ元はと言えば、1年。」
隣で高橋が体をすくませる。
「おい……」
「お前が鉄朗に手出したから……」
「だから、知りません! 本当に! 」
半泣きで言う。
「知らないって言ってんだろ?大体それとAにどんな関係があんだよ。」
畳み掛けると端の方に居た一人が悲鳴のような声で言った。
「白崎が言ったんだよ! 彼氏を取られてムカつくって! だからウチらで締めても良いって……」
「嘘!! 白崎先輩がそんな、そんなこと!」
「言ってたんだよ、バーカ。手出しといてショック受けてんの?」
その時俺は、
『鉄朗はマネさんの事が好きなんでしょ?』
さっきの会話を思い出していた。
「……高橋、お前部活行け。俺は行くところがある。」
「はい……」
Aがするわけない。
それを確認しに行くだけだ。なのにどこかで信じきれてない自分が居た。
――――――――――――――――――――――――
「またバレた……早く片づけよ。」
出番の無くなったバットや針、ハサミをしまう。
「早く! 見つかったら面倒だから!」
「わかっ…………今何か光らなかった?」
「気のせいだから。はーやーくー。」
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来ると思ってた。
「鉄朗……どうかした?」
「なぁ…………何でさっき準備室のある階に呼んだんだ?」
「何いきなり……特に何も考えてないよ?」
「昨日は? ……何で体育館裏なんかに居たんだよ?」
「鉄朗……」
「……高橋の嫌がらせの原因、お前だろ。」
「……。」
「だからどっちの時も近くに居たんだろ?!」
「……。」
「……何も言わないってことは認めてるで良いんだよな。」
「……さあ。」
我ながら気のない返事だと思う。
彼はいつの間にか私の後ろに居た。
「……わかった。もう俺はお前を追いかけないし、話もしない。……お前がこんな奴だったなんて、思わなかった。」
そう言いきって、走っていく。
「私も、思わなかった……。…………帰ろっかな、お祖母ちゃんが待ってる。」
これで、学校での私の居場所はゼロになった。
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えま - 舞璃花さん» レス遅れてごめんなさい! 感動して頂けて嬉しいです……ありがとうございます!!! (2017年1月20日 22時) (レス) id: 9535ab89b8 (このIDを非表示/違反報告)
舞璃花(プロフ) - お話とても良かったです!感動して泣いてしまいましたw続編を読むのがとても楽しみです!続編読んできます! (2016年5月28日 12時) (レス) id: 0311422590 (このIDを非表示/違反報告)
えま - DA☆SA☆KU☆SYA(∩´∀`)∩さん» ありがとうございます!!! 続編の方もよろしくです! (2016年4月12日 22時) (レス) id: c2b65fcd72 (このIDを非表示/違反報告)
DA☆SA☆KU☆SYA(∩´∀`)∩(プロフ) - 見に来ました! 面白かったのでついでにお気に入り登録もさせていただきます(≧▽≦)((もう続編出てるんですけどね(笑) 続編のほうも評価しにいきますので('ω')ノ (2016年4月12日 19時) (レス) id: 409c42c952 (このIDを非表示/違反報告)
えま - おねむさん» ありがとうございます!! 続編もよろしくお願いしますm(._.)m (2016年4月8日 23時) (レス) id: c2b65fcd72 (このIDを非表示/違反報告)
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