11話 【中学2年生】 ページ21
あれから、しばらくし校内に授業開始のチャイムが鳴り響いた。
一時間目は、数学。一分も経たない内に数学の近藤先生が教室に入ってきた。
近藤先生。この先生は、一通り解き方の解説をしたらすぐに教科書にある練習問題を書いては生徒を名指して黒板で書かせるタイプ。寝たりしていたらすぐ標的にされるから寝ている生徒はまずいない。たった一人を除いては。
先「−−−−これが連立方程式の代入法のやり方だ。早速、問題解いていくぞー。」
先生は、淡々と黒板に問題を書いていく。
貴「ねぇ、涼介ってば。起きないとマズイって…」
私は、寝ている涼介をなんとか起こそうと小声で声を掛けながらシャーペンの先でツンツンとつつく。しかし、涼介は起きない。何回か試行錯誤したものの起きず、先生の方が黒板に問題を書き終えてしまった。
先「よし、この問題をーーーーー」
先生は、そう言いかけたまま無言で涼介の席の前へと立つ。私は瞬時に予想がつき、ため息をつきながらそっぽを向いた。
先「おいっ!ーー山田、お前余裕そうだな?前の問題解いてみろ」
涼「ふぁぁぁ。ーーへっ?俺がですか、何で?」
先「何で?か…教えてやろう。それはな…お前が寝てるからだぁーーーーー怒」
涼介のすっとぼけぶりに先生が切れた。私は、憐れむ目で涼介を見ていると涼介が目で私に訴えている。私は、ため息を零しながらノートの切れ端を涼介に渡した。
涼「−−−先生。出来ましたー。」
涼介はドヤ顔を浮かべながら、先生に言った。先生は、一瞬笑顔を浮かべたかと思いきや怒りの表情に豹変した。
先「答えは何も指摘する所が無いほど完璧だ。…だがなこれお前が解いた訳じゃなくて神崎が助言した問題だろう?…なのに、山田お前は何偉そうにドヤ顔してんだーー怒」
貴「(あーあ。だから、起こそうとしてあげてたのに…)」
私は、先生と涼介のやり取りを呆然と見ながら心の中で呟いた。その後の授業でも、涼介は様々な先生に怒られたりしまいには呆れられたりの連続だった。あっという間にラストの授業も終わり、放課後となった。
貴「涼介。ほぼ全教科の先生に目をつけられてたね」
涼「しょうがねーじゃん。座学してると眠くなるんだよっ」
貴「とかいって今も眠そうだね(笑)私、生徒会終わったらここに戻ってくるからそれまで寝てたら?」
涼「あぁ。…ZZZ」
寝始めた涼介の顔を少し見つめた後、私は生徒会が行われる四階の教室へと向かった。
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優菜(プロフ) - コメントありがとうございます!そう言って貰えるととても嬉しいですヽ(*´∀`)ノ今実生活の方が忙しく更新出来ていませんが構想は出来てるので空いてる時間見つけて更新します(^-^)これからも読んで頂けると嬉しいです。 (2017年2月4日 21時) (レス) id: b2182f4c06 (このIDを非表示/違反報告)
ハルル - この小説を読んでみてとても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2017年2月4日 19時) (レス) id: 4e10d5168c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優菜 | 作成日時:2017年1月11日 10時