『贖罪』side:勇者 ページ17
「出てこい！フミオ-サトウ！」
鋭い声で俺の名を呼ぶ。それに呼応するように、辺りが静けさに包まれる。
深紅のレースを抜け、面前に写し出した光景は...俺の想像を遥かに越えていた。
うっわ...異世界貴族って美形揃いじゃん。
まるで乙女ゲーの世界だ。
そんな至極どうでもいい感想を携え、取り敢えず挨拶を済ませる。
「どうも、『チキュウ』という世界から来ました。佐藤 文勇です。よろしくお願いします」
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「その...無礼なのは分かってます。ですが──」
「納得いかない、と？」
光の束を集めたような金髪がとても眩しい青年。陶器のように白いその肌は力仕事をしてないが故なのだろう。
夏の青空を思わせるその瞳には強い意志が込められており、彼の魅力を一層引き立てている。
──と、ここまでつらつらと彼の...クソ野郎の容姿を語ってみたわけだが、敗北感が半端ないので以下省略。
自然と俺の視線が奴に向く。
血相を変えて国王に訴えているが、勝ち目は薄いだろう。というか、恐らくゼロだ。
なんせ、完全なる茶番だからな。
しかし、話を聞いた限りだともっと暴君のような振る舞いをしていると思ったが...まぁ、物語に誇張は付き物だ。お茶目な国王の冗談と受け取っておこう。
諸悪の根元を凝視する。
...お前さえいなければ、きっと侯爵家の娘さんは幸せだったのだろう。
人の人生を弄んだコイツには、それ相応の“罰”が必要だ。
奴を睨み、今後の生活に思いを馳せる。
フラフラと、足元の覚束ない足取りで帰った奴を見て、俺は最終目的を決めた。
──お前から、全て奪ってやる。
地位も、名誉も、女も、家も。
全部全部全部全部！
何もかも奪って...それを、娘さんへの償いとしよう。
覚悟しておけ、クズ公爵。
勇者は──悪の敵だ。
▼▲
「あの間抜け面よ！まるで、魂が抜けたみたいな顔をしておったわい！」
「そうですね。あれだけの人数の前で、許嫁をメイドにすると公言したんですから。公爵とあれど、下手に手は出せないでしょうね」
物理的に殺すのは味気ない。じんわり、心から殺していかないと。奴の罪は、それほど重いのだから。
罪を償わずのうのうと生きるなんて、国が許しても『勇者』が赦さない。
「そうだそうだ。今の今まで忘れておったのだがな。お前、明日から学園に通え」
...本当に突然ですよね。毎回。
学園、か。面倒だから行きたくな──
「拒否権はないぞ。貴様は一刻も早く常識を身に付けろ」
うん、知ってた。
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haru(プロフ) - 面白いです！ (2021年6月30日 9時) (
レス) id: 6cf492dda0 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - Noraさん» 褒めていただき光栄です！いつも女の子しか描いていないので、うまく描けるかわからなかったのです〜（汗） (2018年11月22日 19時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - 悠佳さん» 拝見させて頂きました。とても綺麗で、思わずみとれてしまう絵でした！本当にありがとうございます。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年11月22日 19時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - こんにちは!イメ画出来たのですが、いかがでしょう？ (2018年11月22日 18時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - ゆうりん＠アニメ厨さん» レスが遅くなり申し訳ありません。(忘れてたなんて言えない...)作品の方、読ませて頂きました。適格なアドバイス、ありがとうございます。これから、いっそう邁進いたしますので、応援のほどをよろしくお願いします。 (2018年8月21日 12時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
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