『住み分け』 ページ12
『国立フィリアス学園高等部』
フィリアス王国の都市部にあり、貴族の子供だけが通える学園だ。
自慢みたいに聞こえるかもしれないが、フィリアス王国の領土は非常に広い。
ここ五十年で勢力を伸ばし始めたのだとか。
つまり何を言いたいかというと、フィリアス王国だけでも学園または学院の数が多い。
そして、同様に国民も多い。
すると、うるさくなるのは貴族達だ。
平民なんかと同じ空気が吸えるか!とか言っちゃってね。
そうなると自然に住み分けが起こる。
貴族達が住んでいる場所を『都市部』
平民達が住んでいる場所を『郊外部』
示し会わせたかのように皆がそう呼び始める。
貴族小飼の職人なんかもちらほら都市部に住んでいたりするが、基本的に都市部には貴族しかいない。
ここまで王国の内情について語っていたが、これは俺の得意な現実逃避だということを分かってほしい。
学園に着き、遅刻してないことを確認して校舎に入った。俺とすれ違う生徒が頭を下げ、前を歩いている生徒は道を譲る。
いつも通り。ああ、ここまではいつも通りだったんだ。
三階の俺が所属している教室のドアを開ける。飛び込んできた目の前の光景に、俺は目を剥いた。
「それでねー、その時ウチの彼がさー」
「ほう、そんなことがあったのか。大変だったな」
「ちょっとー、フミオくーん。聞いてよ〜」
「どうした。何かあったのか?」
──そこには、古参の雰囲気をプンプン醸し出している勇者がいたのだ。
しかも女子に侍らせている。おい勇者、周り見てみろ。嫉妬と怨嗟の視線がお前に刺さってるぞ。
お前どうしているんだよ!?
しかも何でそんなに馴染んでるの!?
とか、まぁ色々とツッコミたいことはある。
ただ、クラスに馴染めないよりかはマシだろうと思い通りすぎ──
「何でお前が!?」
──れなかった。
絡まれちゃったよ、勇者に。
「フ、フミオ君。公爵様に失礼な態度はとっちゃダメだよ!」
「いやそれは知ってる」
「知ってるなら行動に反映させて!」
随分仲がよろしいようで。
まあいいよ。まだ、常識を知らない奴にイチイチ目くじら立ててたらキリがないからな。
相変わらず貧弱な魔りょ──ッ!?
「おい勇者!」
「あん?何か用か...って、近い近い!」
幸薄そうな勇者の顔が、驚愕で彩る。
あまりにも切羽詰まった感じで俺が近づいたからだろう。
「おい勇者!この膨大な魔力...貴様、何をした!!」
「いや、ちょっと練習しただけだよ?」
────は?
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haru(プロフ) - 面白いです! (2021年6月30日 9時) (レス) id: 6cf492dda0 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - Noraさん» 褒めていただき光栄です!いつも女の子しか描いていないので、うまく描けるかわからなかったのです〜(汗) (2018年11月22日 19時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - 悠佳さん» 拝見させて頂きました。とても綺麗で、思わずみとれてしまう絵でした!本当にありがとうございます。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年11月22日 19時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - こんにちは!イメ画出来たのですが、いかがでしょう? (2018年11月22日 18時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - ゆうりん@アニメ厨さん» レスが遅くなり申し訳ありません。(忘れてたなんて言えない...)作品の方、読ませて頂きました。適格なアドバイス、ありがとうございます。これから、いっそう邁進いたしますので、応援のほどをよろしくお願いします。 (2018年8月21日 12時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
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