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信じてた ページ15











「…いや、ただ……チャイナさんにはよくお世話になるから、聞いてみただけ……どんなだったのかなって…」







そんな圧迫感に押し潰されそうになりながら、私は何とか答えを口にする。…最も、それもか弱いもので、直ぐに消え入りそうな声しか出なかった。我ながら情けない。







「……そんな事、答える必要無いだろ。大体のことは資料に書いてあるし、わざわざ俺に聞かなくても良いんだからさ」

「…うん。そうだったね」








それに対する神威の答えもやっぱり冷たくて。


ーー分かってた。私たちの関係が、幕府の指示によって保たれているような、書類一枚の上だけの薄っぺらい関係だって。
分かってた。神威が私を女としてでは無く、乗り越え踏み越えていく対象としか見ていない事くらい。

……けれど、けれど私は。







「(……心のどっかで、信じてたんだろうなぁ)」







愚かにも、少しは想われていると。勘違いしていたのだ、きっと。


ーーやっぱり敬語なんて外さなければ良かった。壁なんか、ずっと在ったままで良かったのに。

告白してフラれる、とかそういう次元じゃない。超えられない壁は超えないまま、過ごせば良かったのんだ。








「……私、お風呂行ってきます」








そんな事を考えてしまっていたからか、無意識のうちに、既に敬語に戻っていて。でも今日は、神威も何も言わず、黙って私を見送る。


それがまた、寂しかった。

矛盾→←空気の変わり目は



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設定タグ:神威 , 銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
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頑張ってください - ああああああああ久々に読んだら進んでてまた神威熱が… (2020年1月6日 1時) (レス) id: ac6d87c707 (このIDを非表示/違反報告)
自己満者 - 京篇凄い良くて、泣いちゃいました(笑)更新頑張って下さい! (2019年8月17日 15時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - むくさん» コメントありがとうございます。時間をかけて丁寧に書いたシーンなのでそう言っていただけるととても光栄です!これからもよろしくお願い致します。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 765bdcb728 (このIDを非表示/違反報告)
むく(プロフ) - 求婚シーンめっちゃ好きです〜!! (2019年5月25日 23時) (レス) id: 3bb4d6b7d5 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - 匿名さん» 初めまして!そう言っていただけてとても嬉しいです。神威くんのイケメン台詞は割と心の声の方が潜んでいたりします笑これからもよろしくお願いします!コメントありがとうございました! (2019年4月29日 20時) (レス) id: d60993068d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陽奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ryosukehar1/  
作成日時:2019年1月8日 17時

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