【銀魂】せーりゃくけっこん°

押して駄目なら何とやら ページ44

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神威









「…ねェ阿伏兎、最近遥南が冷たいんだけど」

「お前さんが無茶ぶり言うからじゃねーのか？」






一緒に寝るのを止めて一日。あの家では初めて一人で眠った俺は、あまり機嫌が良くない。俺が宇宙に出てる間、Aはいつもあんな冷たい布団で寝なくちゃいけないのかと驚いた。

だから尚更、Aのしたい事が分からない。






「俺はいつも通りだよ。それなのに急に別々の部屋で寝たいとか言い出すし…何回言っても今回は取り合ってくれないし」






終いには『しばらく屯所に詰めててもいい？』とか言い出すものだから堪ったものじゃない。俺は特別何かした覚えはないし、言うなればーーそう、本当にいつもと変わらず、軽口を言い合っていただけなのに。

それを黙って聞いていた阿伏兎が口を開く。






「団長はグイグイ攻めすぎなんじゃねェか？ま、俺みてェなオッサンにイマドキの…特に嬢ちゃんの心なんざ知る由もねェが……偶には引いてみたらどうだ？」

「…引くって？」

「いつもならもう一押しからかう所をその手前で止めて引き下がるんだよ」

「そうしたら、どうなるの？」

「いつもとは違うアンタの様子に戸惑って、団長の事が自然と気になってくる……かも知れないってヤツだ。相手はあの嬢ちゃんだし、上手くいくかは分からねェけどな」





…つまり、もう少し淡白に対応すればいいって訳か。俺には少し難しい注文だけど、これくらいしないとAは揺れないだろうし。ーー何より。






「面白そうだ。早速やってみよう」







Aの新しい顔が見られるかもしれない。それだけで、面白さはぐっと増すものだ。

思わず零れた笑みに、阿伏兎が隣でやれやれと肩をすくめた。

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