青空の愛

へんてこスーパーマン ページ14

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最近亮が甘やかしてくれるようになった。元々優しかったけど私が泣いたあの日から特に、とろけるように甘く優しい。優しくてかっこよくて、明るい笑顔を向けてくれる。



「A、デートしよっか」


「いいけどその格好で……？」

とはいえ亮は今、罰ゲームでまたしてもへんてこりんな格好で日々を過ごしている。2019年の夏はウォーリーとファラオ、つかの間の普通で終わるようでウザすぎる、と嘆いていた。

東海オンエアとしてはめちゃくちゃ面白い。私もゲラゲラ笑った。でもプライベートに戻ると、並んで歩くのはなかなかキツいものがある。

あ、ちなみに私は理系文系チームを審査員として見守っていて、巻き込みジャンケンで全勝できたから罰ゲームは回避した。高校から大学までずっと理系とはいえ、文系科目も頑張ってて良かったと思わざるを得ない。



「仕方ない。結婚式にこれで出るより全然いい」


「何でそない受け入れ早いん……？」


「悟った」

私はいまだに罰ゲームが嫌で嫌で仕方がないぞ……



「とにかく、息抜きに出歩こうよ」


「はーい……」

これは絶対に職質コース……
知らん人が見たら変なやつとしか思われへんもん。もちろん助ける気はあるけど。



「ほら、待ってるから準備行っておいで？」

でも自分自身も楽しみになっている。しばらく忙しかったからデートできていなかった。いつもよりおめかししておしゃれも頑張ってみよう。

黒生地、小花柄でオフショルダーのロングワンピースに、今日は麦わら帽子を合わせてみようか。メイクで顔を補正したら、左手の薬指には付き合ってる時に貰ったピンキーリングと結婚指輪をはめる。



「うん、やっぱり可愛い」


「やめてやあ、もう26なるよ？ 私……」


「可愛いに年齢は関係ない」

一瞬だけ唇と唇が触れる。ショコラブラウンのリップの色が亮にも着いている。はあ、いつまで経っても慣れないし、いつまで経っても刺激的だ……



「じゃあ、行こっか！」

ギュッと繋いでくれる手、私に歩幅を合わせてくれる所、小さな変化にも気付ける所。甘えてしまいそうになるけど、ショックで落ち込んだ心を溶かしてくれる。

どんなにへんてこな格好をしていても、中身は変わらなくて安心する。



「うん……！」

どんな時も笑いの種を蒔いて花を咲かせるへんてこスーパーマン。これからも大好きだよ。

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